総選挙は、2017年10月10日に公示され、22日投開票となっている。序盤での情勢調査結果が12日、新聞各紙で出ている。
朝日「自民堅調、希望伸びず立憲に勢い」 )、毎日「自公300超うかがう」、読売「自民、単独過半数の勢い」、日経「与党300議席に迫る勢い」と、自公政権はまずまず、希望は失速、立憲民主は勢いが出てきていると報道されている。
安全保障は経済問題に優先する
筆者も、先週末のデータから、選挙予測を公表している(現代ビジネス、10月9日)が、自公は同様な結論であるが、ここ数日間で希望が勢いを失い、その反面立憲民主が伸びていることがわかる。
これまでのところ、各紙などで似たような情勢結果がでている背景には、今回の解散への国民のおおよそのコンセンサスが出ているとみている。
安倍首相は、解散の大義は、北朝鮮問題への対応と消費増税の使い道といった。このうち、北朝鮮問題への対応は、街頭演説のかなりの部分を占めているが、あまり報道されていない印象だ。筆者は、これまでの北朝鮮への国連決議の積み重ねや過去の状況からみて、国連軍か多国籍軍による軍事オプションの可能性がかなり高まっており、11月のトランプ訪日、米中首脳会談、APEC(アジア太平洋経済協力)首脳会談あたりが、北朝鮮問題対応での山場になるのは確実である。
そのとき、この極東アジアの安全保障の最優先事項を取り扱う日本のリーダーには誰がふさわしいかを決めるのが、今回の総選挙の意味と筆者は思っている。はっきりいえば、安全保障は経済問題に優先する。経済は安全保障を前提としているからだ。
この意味では、消費増税の使い道はあまり大きな話でない。ところが、北朝鮮対応をマスコミがあまり取り上げないので、結果として消費増税などの経済政策に焦点が当たっている。