好調な企業業績と円安が後押し
ところが、株価はさらに上昇する余地がある。すでに企業業績の上振れ期待などが株価高騰の背景にあるが、今回は選挙後に企業の中間決算の発表が本格化。堅調な業績が「証明」されれば、10~12月期にはさらなる株高が期待できる。節目とされる2万1000円までの上昇も可能かもしれない。
そんな株高を後押ししている、もう一つの要因が円安だ。衆院解散がメディアで報じられた9月18日には、ドル円相場が110円台後半から上昇しはじめ、翌19日には111円台後半まで上昇。その流れは10月に入っても止まらず、11日のドル円相場は1ドル112円半ば~後半で推移している。
過去の衆院選をみると、民主党政権から安倍政権へと交代した2012年12月の選挙の際には、投開票日以降の3か月間でドル円相場は1ドル84円台から95円台の円安に。また、14年11月の「アベノミクス解散」では、選挙が実施された14年12月14日からの3か月で、ドル円相場は1ドル118円台から121円台まで円安が進んでいる。
アベノミクスによる為替市場への影響はかなりに大きかったが、外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は「安倍続投となれば、日銀の黒田総裁の続投の目が浮上することで、強い円安要因を連想させます」と指摘。さらに、たとえ政権交代が実現したとしても、円安の流れは変わらないとみている。
12月の米国の利上げや米トランプ大統領の減税政策への期待感の高まりもあって、神田氏は「ドル買いが進む」とし、12月までのレンジを113~116円と予測する。
円安が続けば、自動車や電機などの輸出関連株を中心に、企業業績の好転がさらに期待できる。