競泳・星奈津美はバセドウ病を克服
甲状腺の病気ではもうひとつ、「バセドウ病」が知られている。甲状腺専門医による治療を行う「せきや内科クリニック」(東京都豊島区)のサイトを見ると、「甲状腺を異常に刺激する物質が体内で作られ、この物質が原因で甲状腺ホルモンが大量に作られてしまう病気」とある。甲状腺ホルモンが不足する橋本病とは逆の症状だ。
甲状腺腫や眼球突出が特徴で、過剰なホルモン分泌により「安静にしている時も、走っている時と同じくらいエネルギーを消費している状態」「とにかく疲れやすい」という症状が多い。原因は不明で、治療には投薬、場合によっては手術となる。
競泳女子選手として2012年のロンドン五輪、16年のリオ五輪と連続で、200メートルバタフライ銅メダルに輝いた星奈津美さん(27)は、激しい運動量が必要な競泳で、バセドウ病を克服したうえでメダリストとなった。
2016年5月18日付のスポーツニッポン電子版によると、高校1年生でバセドウ病と診断され、薬を服用しながら競技を続けてきた。ロンドン五輪後に行われた2014年9月の仁川アジア大会で体調が悪化、帰国後の10月に甲状腺ホルモンの数値が悪化していたという。翌11月に手術し、甲状腺を全摘出して完治した。これが、リオ五輪での2大会連続銅メダル獲得につながったといえよう。