「控えの国内組が使えないとわかった」「海外組と国内組じゃ差があるよ、実際」――。やはりサッカー日本代表は海外組しかいないのか。ハイチ代表戦後、そんな声がインターネット上で溢れ返っている。
試合は3対3の引き分け。2点先制した後で逆転を許し、あわや屈辱の敗北寸前までハイチにリードを許していた。
2点先制から3失点で逆転
2017年10月10日にホームの日産スタジアムで行われた親善試合。6日のニュージーランド戦から先発メンバーを9人入れ替え、国内組の選手は2人から6人に増やした。
試合は苦戦の連続。前半7分にMF倉田秋、同17分にFW杉本健勇が立て続けにゴールを決めたが、その後守備が崩壊。同28分、後半8分と相次ぎ失点し、同点に追いつかれた。足が止まり始めた日本は相手に攻撃のリズムをつくられ、後半33分にはバイタルエリアでキープされても誰もプレスをかけられず、ミドルシュートで逆転ゴールを奪われた。
敗北寸前の後半アディショナルタイム、DF酒井高徳のシュートに途中出場のMF香川真司が反応して同点弾。かろうじて引き分けに持ち込んだ。
ハイチはFIFAランク48位。日本の同40位と大きな差はないが、ロシアW杯の北中米カリブ海予選で敗退し、本戦出場権は得られずに終わっている。
「なかなか厳しい試合だった。最終的に引き分けに持ち込めたが、よかったとは言えない」。DF長友佑都の表情は暗かった。さらに「もっと多くの選手がアピールしないといけない」と続けた。
ハリルホジッチ監督は試合前、「国内のいろいろな選手を見るチャンス」と述べ、テストマッチと位置付けていた。しかし長友も言うように、日本の選手の積極性は高かったとは言い難い。
「ハイチに引き分けてるようじゃあW杯で良い結果残すの無理だろーよ」
TBSのテレビ中継で解説した元日本代表の鈴木啓太氏は「この2試合を通じ、監督にとって新しい選手たちはどれぐらいのプレーができるかという、個々人の評価の整理ができただろう」と、ハリルホジッチ監督の「収獲」を推測しつつ、
「W杯に向けてこの状況は理解しないといけない。自分たちの時間帯で何ができなかったのか、確認をとるべきだ」
「W杯に出ない国相手にホームでこういう内容の試合だと納得できない」
と不満を露わにした。
元日本代表の前園真聖氏はツイッターで、選手を試すという点でも苦言を呈した。逆転されたあとの後半35分、FW乾貴士にかえてFW武藤嘉紀を投入したシーンでは、「乾を交代か...。点を取りにいかないといけない状況だけれど、ただ選手を替えればいいとは思わない」と指摘。試合終了後も、
「ただ選手を入れ替えて試すのと、個々の選手の特徴を考えてポジションを組み合わせることは別物。勝ち負け以上に試してほしかったことはこの2試合ではあまり収穫なかった」
と、コンビネーションのテストに大きな不満を示した。
確かに、同点に追いつかれてからの交代カードの切り方は「テスト」とは言えなかった。香川(後半14分)やFW大迫勇也(同19分)ら、長く代表に定着している海外組を立て続けに投入し、「どうしても勝ちにいく」という印象を与えた。
多数起用された国内組の選手は十分に機能せず、相手に自由に攻められるシーンが目立った。シュート数は日本18本に対し、ハイチも12本放っている。
こうした試合内容にツイッターでは厳しい声が目立つ。「2得点してるの国内組なんだよなぁ」と一定の評価をする向きもあったが、
「海外組と国内組じゃ差があるよ、実際」
「ハイチに引き分けてるようじゃあW杯で良い結果残すの無理だろーよ」
「控えの国内組が使えないとわかっただけ」
「国内組のグダグダはある」
「日本代表クビやな」
といった声が多くを占めていた。