俳優の香川照之さん(51)が、2017年6月に現役を引退した棋士の加藤一二三九段(77)に改名を提案した。
思わぬアイデアに、視聴者からは「面白すぎる」「最高」など笑いが溢れている。
「ひふみん」ではなく「つっくん」
改名提案が飛び出したのは、10月9日にオンエアされた不定期放送の人気番組「香川照之の昆虫すごいぜ!」(NHK Eテレ)だ。昆虫マニアの香川さんが愛する昆虫について語る「昆虫だいすき!―すごいぜ!ヘンタイ―」のコーナーでは、虫が態を変える「変態」について熱弁をふるった。
昆虫は、たまご→幼虫→成虫と姿を変える「不完全変態」と、幼虫と成虫の間にさなぎの段階を踏む「完全変態」に大別される。いずれもハネが生えることで飛躍的に行動範囲が広がって暮らし方が変わるが、人間もここから学ぶことがあるという。
イモムシからチョウになるほど、環境がガラッと変わる人間はめったにいないというが、現在の加藤九段はまさにこの状態にあると説明する。加藤九段にとって将棋を指していた時期はイモムシの期間であり、藤井聡太四段に敗れて引退するまではサナギとして過ごした。そして引退後にはテレビ出演などが相次ぎ、「バラエティ界のチョウ」と化しているというのだ。
香川さんは「完全に変態して、将棋指しからバラエティのおじさんになってしまった」という加藤九段に対して、
「一二三(いちにさん)なんていう幼名を付けている場合じゃない。私から言わせると、九十九くらいになっている。加藤九十九(つくも)」
と持論を展開。愛称も「ひふみん」ではなく「つっくん」と呼ぶことを提案した。
「変態No.1の私が言うんだから間違いない!」
香川さんは変態について一通りのレクチャーを終えると、
「悩んだ時期があるから成長する。変われないと思っているあなた、昆虫に勇気をもらって変わってください。明日から変えられる君の人生は!」
と熱いメッセージを送った。
10年ほど前に俳優の加瀬亮さんから、変態俳優1位に選ばれたというエピソードから、
「変態No.1の私が言うんだから間違いない!」
と胸を張っている。なおここでの「変態」は、昆虫のように形態を変える見事な俳優業を評したものなのか、普通の状態とは違うことを指す意味の言葉なのかは明らかになっていない。ちなみに、2位は西島秀俊さんだったそうだ。
なお当の加藤九段は、ツイッター上でこの「改名提案」のくだりを紹介したウェブサイト「将棋ワンストップ」のつぶやきをリツイートしている。ただ、特に感想などは書き込んでいないため、「つっくん」についてどう感じたのかは不明だ。
同番組は、10月21日にも再放送される。