一度は「『希望の党』を全力で応援する」(2017年9月28日、両院議員総会)ことを決めた民進党が、実際は違った戦い方を余儀なくされている。いわゆる「リベラル派」が「希望」側に「排除」された結果、「希望」「立憲民主党」「無所属」の3つに分かれたためだ。
その象徴ともいえるのが、蓮舫前代表だ。一度は衆院鞍替えを明言していたものの、代表辞任で方針を撤回。今回の衆院選では、「党ではなく、国民がこの候補ならと納得してもらえる人を支援」するとして、各陣営の候補者を挙げて応援する「3足のわらじ」状態になっている。
「『希望の党』ではあるものの」...
民進党は衆院については事実上「解党」したものの、参院や地方議員はそのまま「民進党」として存続している。蓮舫氏は10月10日朝、
「私、蓮舫は今回の衆議院議員への挑戦をしません。民進党の参議院議員としてやるべきことがあると思うからです」
「今回の選挙は志を同じくする、信頼できる仲間を応援します」
とツイート。これに続けて、「仲間」の名前を列挙した。
最初に挙げたのが無所属の候補者で、菊田真紀子氏(新潟4区)、金子恵美(えみ)氏(福島1区)、広田一氏(高知2区)を
「退路を断ち、小選挙区だけで挑戦する大切な仲間たち」
と表現した。次に言及したのが立憲民主党。代表の枝野幸男氏(埼玉5区)、長妻昭氏(東京7区)、手塚仁雄氏(東京5区)、辻元清美氏(大阪10区)の名前を挙げ、
「政策を共有してきた、これからも共有したい大事な仲間たち」
だとした。最後に言及したのが希望の党。
「『希望の党』ではあるものの今なお志を共にする大事な仲間たち」
として、山井和則氏(京都6区)と大串博志氏(佐賀2区)を挙げた。
かつて絶大な人気を誇った蓮舫氏の応援演説は、代表を辞任した今でも大きくは衰えていないようだ。蓮舫氏は公示日の10月10日だけで新潟と東京で無所属と立憲民主、計4候補の応援演説に立った。
現代表の前原誠司氏も応援演説に走り回っている。長崎市内で第1声をあげ、佐賀、福岡と移動。主に希望の党の候補の応援演説に立ったが、希望の党の公認を辞退して無所属で出馬した原口一博元総務相(佐賀1区)のもとにもかけつけた。