東京電力福島第1原発事故で生活が奪われたとして福島県の住民らが国と東電に対して総額160億円の賠償を求めていた集団訴訟の判決で、福島地裁(金沢秀樹裁判長)は、2017年10月10日、国と東電に賠償を命じた。生活環境の回復を求める訴えは退けた。
全国の地裁に対して避難者が起こした集団訴訟は約30件あるが、判決は3件目で、東電の賠償を認めたのは3件目。1件目は前橋地裁で津波対策をめぐって争われ、17年3月の判決では国と東電の賠償を認めている。2件目の千葉地裁で行われた訴訟では、住民が土地や建物の賠償を求めたが、17年9月の判決では国の責任を否定し、東電のみに賠償を命じている。