甲状腺がんの大部分は予後が良い
では、がんだった場合はどうなるか。九州大学病院がんセンターがサイト上で公開している、甲状腺がんの説明パンフレットには、一般に甲状腺がんは4種類に分けられるとある。そのうち「分化がん」と呼ばれる「乳頭がん」と「濾胞(ろほう)がん」で大部分を占めるという。これらは「一般に腫瘍の増大は穏やかで中高年の女性に多い(男性の3~4倍)とされています。10年生存率も90%以上との報告が多く、全身に発生する他のがんと比較して予後の良いがんの一つと考えられます」と書かれている。
残る2種類は「髄様(ずいよう)がん」と「未分化がん」だ。髄様がんは遺伝性のものとそうでないものに分かれる。未分化がんは全体の1%以下だが、腫瘍の増大が急速で転移することが多く、「最も悪性度が高く予後が悪いがん」とのことだ。
名古屋大学医学部付属病院乳腺・内分泌学科のサイトによると、乳頭がんと濾胞がんを合わせて全体の90%になるという。一方、未分化がんは「高齢者に発生することが多く、残念ながら現在のところ有効な治療法が有りません」。
なお、これら4種類の名称は、がんの組織を顕微鏡で見たときの細胞の形などに由来しているという。