スポーツ庁が、スニーカーでの通勤など歩きやすい服装での通勤を奨励することを発表した。健康増進を狙いとした施策だ。
ネット上では、特にスニーカー通勤について関心が集まり、賛否両論の声が上がっている。ビジネスマナー上は許される行為なのだろうか。J-CASTニュース編集部が専門家に聞いた。
健康増進が目的
2017年10月2日、スポーツ庁は「FUN+WALK PROJECT」と題して「歩きやすい服装」での通勤を推奨することを発表した。具体的にはスニーカーやビジネスカジュアル、通気性の良いスーツなどでの通勤を想定している。18年3月をめどに本格的に実施する予定で、通勤時の歩行の推進を通じて国民の健康増進を目指す。
また、9月28日には「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京系)で、スニーカー通勤を含め、カジュアルな服で働く「ビジネスカジュアル」についての放送が行われた。
ビジネスカジュアルに合わせやすいスニーカーの販売に商機を見出す靴屋の例や、企業でのスニーカー通勤の導入について紹介された。同企業でのインタビューでは、リラックスした状態で働くことができる、テイストの違う服を着られるなど、社員からは好意的な声が寄せられていた。
「ワールドビジネスサテライト」の放送があった9月28日以降、ツイッターでは、
「個人の経済的にも健康的にもどんどん変えた方がいい」
「スニーカーもOKっていう幅が広がることはいいと思う」
と、スニーカー通勤について好感する声や「仕事柄毎日スニーカーで出勤です」といった声も見られた。一方で、
「スーツとスニーカーが合うわけがない」
「足の健康的には賛成ですが、ビジネスシーンのTPOはわきまえないといけない」
「営業職で仕事中に、スーツにスニーカーはありえません」
と、批判的に見る向きもあった。
「良し悪しを断言することは難しい」
ビジネスマナーの観点からは、通勤時のスニーカーの使用は許容されるのだろうか。J-CASTニュースは17年10月4日、NPO法人日本サービスマナー協会(東京都中央区)の森良子講師に話を聞いた。森さんは、
「はっきりと断言はできませんが、スニーカーでの通勤は問題ないと思われます。オフィスに入って働くときには、オフィスのロッカーなどに置き靴として革靴を用意したりして、スニーカーを履き替えることは必要かもしれません」
と語った。ただ、朝から取引先に向かったり、夜に格式の高い店で食事をしたりするケースでは一般にスニーカーの着用は適していないとされるため、スニーカー通勤の良し悪しを断言することは難しいという。
一般にビジネスカジュアルの服で出勤をする場合には、スエードやベロアなどの素材で紐のついた革靴を履くことが多いという。