クレヨンしんちゃんが独立運動に? カタルーニャとの「意外な縁」

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カタルーニャでは「Shin Chan」は大人気作

   日本ネットで言われているような「独立運動のシンボル」は少し大げさのようだが、「外国」のキャラであるしんのすけが、このような場面で使われること自体、日本人からすると不思議な現象ではある。

   背景としては、アニメ「クレヨンしんちゃん」が現地で占める、独自の地位がある。

   カタルーニャ語を含む少数言語は、フランコ将軍による独裁時代、使用を制限されていた。その後、民主化によって公用語としての地位を獲得したのだが、こうした歴史もあって、特にカタルーニャ州では、「自分たちの言葉」への地元の人々の思い入れが非常に強い。当然、独立運動のスローガンなどにも、使われるのはカタルーニャ語である。

   そんな中、日本のアニメはカタルーニャなどの自治州で放送されるとき、多くの場合スペイン語ではなく、地元の言葉で吹き替え放送された。

   「クレヨンしんちゃん」もその一つだ。2001年に「Shin Chan」のタイトルでカタルーニャ語での放送が始まるや子どもたちの爆発的な人気を呼び、その影響力の大きさから州議会で「子どもが見にくい時間に放送時間をずらすべきだ」という議論まで出た。2003年には劇場版「クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡」が封切られたが、この際州内では、通常並行して上映されるスペイン語版吹き替えが用意されず、すべての映画館でカタルーニャ語吹き替えで上映され、異例の出来事として評判を呼んだという。地元サッカーチーム・エスパニョールに中村俊輔選手が2009年移籍した際には、「しんちゃん」に引っ掛けた「シュンチャン」がニックネームとなったほどだ。

   慣れ親しんだ地元の言葉をしゃべる、しんのすけらアニメのキャラは、日本人の想像以上にカタルーニャの人々にとっては身近な存在なのだ。独立運動への「登場」には、そうした経緯がある。

   なお独立派のサイトではほかにも、「マジンガーZ」や「ピカチュウ」「アラレちゃん」「ドラえもん」「孫悟空」といったキャラがカタルーニャ独立の旗を掲げているイラストが確認できる。

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