【名医とつながる!たけしの家庭の医学】(テレビ朝日系)2017年9月26日
「万病の元『内臓脂肪』を減らしてくれる海藻があった!」
年齢を重ねるとともに、お腹周りが気になってくる。知らないうちに、体の中は内臓脂肪がベッタリ――そんな事態は避けたい。
最近は、肥満体型でない人でも内臓脂肪が蓄積されているケースが増えているという。深刻な病気の引き金となる内臓脂肪を、食べるだけで燃やせる食材が番組で紹介された。
内臓脂肪を燃やす成分「フコキサンチン」
東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科主任教授の小田原雅人氏は、「加齢とともに代謝が衰えるので、内臓脂肪は一般的に増える傾向にあります」と話す。中高年になるにつれて、一見お腹が出ていないようでも実は内臓脂肪が蓄積していたり、増えたりしている人がいると指摘した。
ゲストで歌手の小林幸子さん(63)も、50歳を過ぎてから内臓脂肪がついてきたと実感したそうだ。
内臓脂肪を減らす「魔法の食べ物」の正体は、海藻だ。これに含まれる成分を、肥満体型のマウスに4週間投与したところ、内臓脂肪のサイズが半分に縮小した。ロシア自然科学アカデミーでは、人を使った研究結果を発表している。体重が90キロ以上のロシア人女性55人に、この海藻成分を16週間摂取させた結果、体重平均は7キロ、内臓脂肪を含む脂肪量は11%、それぞれ減少したという。
この成分は「フコキサンチン」と呼ばれる。内臓脂肪に作用してどんどん燃焼させるので、運動をしなくても摂取するだけで同様の効果が期待できるのだ。ワカメや昆布にも含まれているが、ワカメの倍近くのフコキサンチンがある海藻こそ、「アカモク」だ。
いまひとつ、食卓にはなじみのない海藻かもしれない。だが東北地方の一部地域では、昔から伝統的にアカモクを食べていた。
うどん、豆腐、マグロのブツに載せる
岩手県山田町。ここではアカモクの年間生産量が、10年間で4倍に増えている。アカモクは水深2~10メートルの海底に生えており、日本列島の沿岸地域に広く生息している。収穫時期は3~5月に限られており、年間を通して流通させるため冷凍するものも多い。柔らかい葉の部分だけを、機械で裁断すると粘り気がどんどん出てくる。
秋田県では、アカモクは「ギバサ」と呼ばれ親しまれている。能代市のスーパーで、パック入りで販売されているアカモクを買いに来た人を対象に、番組では内臓脂肪測定器を使って調査した。
100平方センチを超えると、メタボリックシンドロームの危険信号だ。まず77歳女性を測ると、63平方センチでセーフ。次に49歳女性の測定では、更に下がって54平方センチだった。
この女性の自宅では、うどんの上にアカモクとワカメをたっぷり載せて食べていた。さらに、残ったアカモクのお椀にはめんつゆを入れて混ぜ、今度はアツアツご飯の「お供」にした。シンプルだが、42歳の夫と15歳の長男はおいしそうにうどんとご飯をほおばった。
「全く運動をしていない」とこぼす夫に、内臓脂肪測定だ。結果は76平方センチと、基準値を見事クリア。本人も少々驚いていた。
男鹿市の家庭では、代表的な食べ方を紹介してもらった。湯通ししたアカモクを包丁でたたいて粘り気を出す。細かく刻むと、フコキサンチンの吸収力がアップするのだ。これをみそ汁の中に投入。ほかにも、豆腐やマグロのぶつ切りの上に載せたり、オクラとトロロと混ぜて「ネバネバトリオ」にしたりと、手間をかけない食べ方を工夫していた。