豪州と米国の猫、毎年数十億羽の鳥を殺す 衝撃の報告に「キャットウオーズ」論争

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「あらゆる手段で猫を排除」が火に油を注ぐ論争に

   「ネイチャー・コミュニケーションズ」の調査発表に喜んだのが米国の愛鳥家たちだ。野鳥保護団体のスポークスマンはロイター通信の取材に「猫の飼い主や地域社会への警鐘になる。われわれも可愛くてフワフワした猫は大好きだが、この捕食者が自由に行動するのをこれ以上見過ごすことはできない。すぐにでも対策が必要だ」と語った。これには愛猫家たちが「猫を殺すのか!」と反発した。

   この調査をまとめたスミソニアン保全生物学研究所の研究員ピーター・マラ氏は、その後「CATS WARS」(猫戦争)という本を出した。ナショナル・ジオグラフィック誌日本版の2016年9月13日付「野外のネコは排除されるべきか、米で議論」によると、マラ氏は「CATS WARS」の中で、野外にいる猫を捕まえて避妊手術を施してから野生に戻すという方法を批判、根本的な問題解決を図るには安楽死を含めて「あらゆる手段」を講じるべきと訴えた。

   これには愛猫家団体はもちろん、生物学者までが激怒した。米コロラド大学の生態学教授マーク・べコフ氏は米ハフィントンポスト紙に寄稿、「著者がいう『あらゆる手段を講じて』のイメージは、『わなを仕掛ける、毒を盛る、殴る、銃で撃つ』などだ。科学の名のもとに暴力がまかり通るようになる」と指摘した。愛護団体会長のベッキー・ロビンソン氏も「人々の不安をかき立て、猫を悪者に仕立て上げる人々は昔から存在し、この本もその1つだ」と批判した。

   一方、マラ氏はナショナル・ジオグラフィック誌の取材に、もうお手上げといった表情でこう語った。

「マスコミは私がまるで殺人鬼であるかのように書き立てていますが、私たちは人間が見ていない時、猫たちは何をしているのか、猫カメラで追跡しました。猫は野外から排除しなくてはいけません。野猫に里親が見つからず、シェルターにも空きがなかった場合、安楽死させるしか方法がないでしょう」

   この発言がまた、火に油を注ぐ結果になり、全米で「CATS WARS」論争が広がっているという。

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