15分の血液検査で心筋梗塞リスクがわかる 英・スイスの研究者ら、新検査法を開発

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   英キングス・カレッジ・ロンドンとスイスのバーゼル大学の研究者らは、15~30分の検査で3時間以内に「急性心筋梗塞(AMI)」を発症するかどうか判定できる「cMyC検査」という手法を確立し、5年以内に実用可能だとする研究結果を2017年9月26日、米心臓協会誌「Circulation」で発表した。

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短時間で高精度の検出が可能

   胸の痛みを訴える患者が医療機関に運び込まれた場合、心電図検査によって不整脈などが生じていないかを確認し、AMIの発症に備えることが一般的だが、微弱な変化は見落としてしまうことが少なくなかった。

   心電図以外の検査方法がないわけではなく、心筋に含まれる「トロポニン」というたんぱく質が血中に存在するかを確認することで、心臓に傷害が起きAMIを発症する可能性があるかを判断するトロポニン検査という方法もある。

   しかし、トロポニンが血中に出現するには時間がかかるため、検査も数時間をかけて断続的に続ける必要があり、より簡便な検査方法の開発が求められていた。

   研究者らは、心筋梗塞を起こした患者の血中でトロポニン以外に「心筋ミオシン結合たんぱく質C(cMyC)」というたんぱく質も確認できることに注目。cMyCで新たな検査方法を開発できるのではないかと考えた。

   そこでスイス、英、伊3か国の病院で、胸の痛みを訴え病院を訪れた患者約2000人を対象に、トロポニン検査かcMyC検査を実施。AMI発症をどの程度の精度で測定できるか、比較を行った。

   その結果、cMyC検査もトロポニン検査も92%程度の精度でAMIを検出した。

   数値上は同じだが、トロポニン検査は同じ患者に複数回実施しているのに対し、cMyC検査は1回の検査でトロポニン検査に匹敵する検出率となっている。

   研究者らは「1回の検査で患者を安心させることができる高精度な検査方法であり、今後検証を重ね早期に実用化したい」とコメントしている。

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