音喜多都議を直撃 小池「ブラックボックス」の最新事例とは

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文書質問、「与党だからそういうことはしない」

――小池知事が特別顧問をつとめる都民ファーストの会についてお聞きします。5日の離党会見で、メディア出演規制やSNS規制など「都議活動の制限」があったと述べていました。他に具体的にどのような制限がありましたか。

「文書質問」の禁止です。質問に登壇できない議員が文書で行政に質問できる制度です。私は都議会定例会では欠かさず文書質問を出していましたが、2017年の都議選で都民ファーストの会が第一党になると、「与党だからそういうことはしない」として政調会長の山内晃さんから通達がありました。

新人議員と食事をしようとしたら止められましたが、この時は増子博樹幹事長から呼び出しを受けました。呼び出された部屋にはさらに山内政調会長、伊藤悠・政調会長代理、小山有彦(くにひこ)・幹事長代理など役員がズラリとそろっており、指導を受けました。

増子幹事長はここ数日の報道番組で「会派内で部会に分かれているのだから、部会との関係を優先すべき」と仰っていますが、食事も禁止されたのでは所属部会以外の都議とのつながりが制限されることになります。広く議論していくべき都議がそういう体制に置かれるのはおかしい話です。

――会派内のお金の流れや人事について「ブラックボックス」と述べていました。会見では、政務活動費の使い道や、荒木千陽新代表の決定プロセスが不透明だとしていましたが、他の事例はありますか。

希望の党と都民ファーストの会との間で昨夜(5日)締結された「政策協定」ですね。都民ファーストの会の都議は衆院選で希望の党を応援することなどが決まりましたが、所属都議にこの政策協定書の内容が明かされたのは、昨日午前の議員総会の場でした。私は昨日午前までは都民ファーストの会に所属しています。本来は協定書の内容を確認し、疑問があれば提起し、場合によっては修正するという過程をたどるはずですが、午前に渡されてその日の午後には了承しろと。これでは内容を精査できません。政策協定書の内容は役員たちがブラックボックスの中で決め、他の都議は強引に了承させられた形です。

――会派運営において、小池知事の影響を感じる場面は具体的にありましたか。

そもそも前代表の野田数(かずさ)氏は知事特別秘書、現代表の荒木千陽都議は小池氏のかつての秘書です。2人とも小池知事の側近で、いつの間にか代表に決まっています。そうした人事からしても、小池知事の思惑が強く働いたと思わざるを得ません。

少人数で決めることそのものを否定する気はありませんが、そうであれば選挙前にはっきり「トップダウンでスピーディーに決めますよ」と明示しておくべきです。しかし小池知事は「都民が決める。都民と進める」という理念を掲げていました。今、少なくとも都民ファーストの会の中では真逆のことをしているとしか思えません。
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