枝野幸男氏が立ち上げた新党「立憲民主党」の公式ツイッターアカウントが、インターネット上の一部で囁かれていた「フォロワー水増し疑惑」を否定した。
2017年10月5日夜の投稿で、フォロワーの偽アカウント率を調べる「Twitter Audit(ツイッター オーディット)」というウェブツールの検証結果を紹介したのだ。それによると、13万人を超える同党のフォロワーのうち、偽アカウントと判定されたのは約3.1%だった。
開設4日で14万フォロワー
立憲民主党の公式アカウントは、10月2日夕の結党会見にあわせて開設された。アカウントのIDは「@CDP2017」だ。枝野氏をはじめ党メンバーの投稿をリツイートしたり、会見や街頭演説の模様を「実況」したりと、積極的な情報発信で支持を集めている。
フォロワー数は14万8632人(6日16時時点、以下同)。開設から4日と経たずに、日本の政党アカウントの中でトップに。2位の自民党(@jimin_koho)の11万5721人を大きく引き離す躍進ぶりだ。なお、小池百合子氏が立ち上げた「希望の党」のフォロワーは5704人となっている。
このように、爆発的な勢いでフォロワー数を増加させる同党のアカウントをめぐっては、一部のネットユーザーの間で「水増し疑惑」が囁かれていた。
実は、ツイッターのフォロワーを「購入」することは簡単だ。国内にも複数の販売業者があり、ウェブサイト上で注文を受け付けている。例えば、「国内最大級」をうたうある業者の場合、価格は日本語アカウントのフォロワー1000人で4500円。説明ページには、
「第3者にフォロワー購入がわからない様に時間をかけてフォロワーを増やしていきます」
とある。そのほか、オークションサイトなどでもフォロワー増加をうたった出品が数多く出品されている。こちらの場合は、より安価な値段で購入できるようだ。
こうしたサービスの存在から、急激にフォロワー数を増やした立憲民主党のアカウントに対して、
「フォロワーを金で買ってるとしかみえない」
「水増ししてる感があるなぁ...」
「怪しい...というか、買ってるだろ」
などと疑う声がツイッターやネット掲示板に出ていたのだ。ただ、これらは「印象論」といった内容で、いずれの投稿にも明確な根拠は見つからない。
にも関わらず、一部のウェブメディアやまとめサイトでは、上記のような書き込みが特段の検証もなしに紹介されている。こうした影響もあり、同党アカウントの「水増し疑惑」はネット上で徐々に広まっていた。
「公式がデマに対処するのは素晴らしい」
こうした「疑惑」に反応したと見られるのが、立憲民主党アカウントが10月5日夜に投稿したツイートだ。
特定のツイッターアカウントのフォロワーのうち、活動実体のない「偽アカウント」がいくつあるかを調査できる無料ウェブツール「Twitter Audit」の検証結果ページのURLを投稿で紹介したのだ。
同党が紹介した検証結果ページをみると、5日夜時点のフォロワー13万9683人のうち、偽アカウントと判定されたのは4330件。全体の約96.9%にあたる13万5353件が正常に活動しているアカウントだと判定されている。
このように、検証ツールを用いて「水増し疑惑」を否定した同党のツイートには、
「公式がデマに対処するのは素晴らしい」
「おー。この対応はカッコいい」
「公式の中の人が有能すぎる...」
といった称賛の声がリプライ(返信)欄に相次いでいる。
なお、上記の「Twitter Audit」を調べると、立憲民主党以外の政党アカウントの検証データも見つかる。
そのうち、自民党の偽アカウント率は17年6月のデータで約7.5%(10万2885アカウントのうち7819件が偽物)。希望の党の偽アカウント率は10月4日時点のデータで約2.5%(2781アカウントのうち69件が偽物)だった。