不倫疑惑が報じられて民進党を離党した山尾志桜里・前衆院議員が、YouTubeで毎日更新を続けている。次期衆院選について「私は無所属で良かったと思っています」と発言したところ、インターネット上では呆然とする声が相次いだ。
山尾氏の不倫報道は、当時代表に就任したばかりの前原誠司氏の出鼻をくじいた。党内の求心力は低下し、「民進党崩壊」の引き金になったという見方は根強い。そのため「民進党をぶっ壊した張本人が何を言っているのか」といった書き込みが数多くみられる。
「憲法を踏み絵にする、そんな流れに巻き込まれてはならない」
山尾氏は2017年9月30日にYouTubeで「山尾しおりチャンネル」を開設し、毎日更新を続けている。多くは10月の衆院選に向けた地元・愛知での活動報告だが、3日に公開した動画では「疑惑報道から離党、今日までの想いと真のリベラルとしての闘い」と題して不倫報道に言及した。
山尾氏は9月7日発売の週刊文春(14日号)に倉持麟太郎弁護士との不倫を報じられると、同日中に民進党に離党届を提出。会見を開いて男女の関係は否定したが、報道陣の質問に応じないなど、説明不十分ではないかとの印象を持たせた。
動画でも不倫報道について「やましいことは一切ありません。地域の皆さんに恥ずかしいことは一切ありません」などと述べたが、それ以上の詳細な説明はみられなかった。このため、ツイッター上では
「やましいことがないならちゃんと説明をして下さい。別にやましくないなら説明できるでしょ」
「何でもいいけど、例の件の説明責任はいつ果たしてくれるのですか?」
「無実である証拠を早く披露してくださいよ?」
といった疑問がまたも噴出することになった。
山尾氏は無所属で衆院選に臨む意向を示しているが、動画の中で述べたこんな言葉が、新たな批判材料となってしまった。
「私は無所属での挑戦となるでしょう。しかし、私は無所属で良かったと思っています。憲法を踏み絵にする、そんな流れに巻き込まれてはならないと思います」
「民進党にとどめを刺した功績は大きいですよ」
山尾氏の不倫報道が出たのは、目玉人事として幹事長内定が出た直後のことだった。代表に就任したばかりの前原氏ともども、民進党は新体制で出鼻をくじかれた格好となった。また、民進党は離党ドミノに歯止めがかかっておらず、メディアからは「山尾議員不倫騒動で民進崩壊危機 5人前後離党か」(日刊スポーツ、9月9日)といった報道もあった。
その中で衆院が解散されると、前原氏は民進党から公認候補を出さずに新党「希望の党」に合流するという、事実上の解党を決断。10月5日現在、民進党は希望の党、新党「立憲民主党」、無所属の大きく3つに分裂した。
こうした流れから、山尾氏の不倫報道が民進党崩壊の引き金になったと捉える見方もある。ツイッターでは「無所属で良かった」発言が能天気だと思われたのか、
「民進党をぶっ壊した張本人が何を言っているのか」
「よく言えるな...お前が前原にとどめを刺してその流れを作ったんだろーが」
「山尾先生が起因で民進党が崩壊したと認識していますが、先生には民進党崩壊の説明責任はないんですか?」
「民進党にとどめを刺した功績は大きいですよ、山尾さん」
「しおりさんのおかげで民進、リベラルが完全崩壊しました」
といった反応が続出した。
なお一部には「政治家は何よりも政治で信頼を勝ち取るしかありません」といった激励もある。また動画では「リベラルな価値を語り続ける政治家は日本には絶対に必要だと思います」という発言もあったため、
「枝野さんと一緒に、活躍して欲しいです」
「立憲民主党には入ってもいいのではないかと思う」
と合流を促す声も出ていた。