東京都議の音喜多駿、上田令子両氏が2017年10月5日、会見を開き、地域政党「都民ファーストの会」に離党届を提出したと発表した。
「ブラックボックス」「忖度」「白紙委任」――。両氏はこうした言葉を使いながら、都民ファ執行部の運営方法や、元代表で現特別顧問の小池百合子都知事に対する疑念を次々に明かした。小池氏が結党した「希望の党」に対しても、都民ファと「似ている」部分があるとの見解を示した。
「前代表に知事の影響がなかったとは考えづらい」
離党の意思を固めた要因の1つは、党幹部による不透明な意思決定プロセス。音喜多氏は「我々が批判してきたブラックボックスを自分たち自身が作り出している」と批判した。
「最近の議員総会では私が異議を唱えると、ある役員に呼び出され、『全員の前であのような発言は慎むように。裏で言え』と言われた。残念ながら今の都民ファーストの会は組織改革に後ろ向きだと判断せざるを得ない」
また、音喜多氏は「多くの都議は、都議ではない人の気持ちを忖度せざるを得ないシーンがあったと率直に感じる。(野田数)前代表の場合が多かったと思う」とし、「前代表に知事の影響がなかったとは考えづらい」と小池氏の影響について言及した。
「小池知事がどこまで会派運営に口を出しているかはわからない。だが、特別秘書である前代表が、知事の意向を忖度して会派運営していたのではないか。忖度に次ぐ忖度の政治を批判していた我々が、権力者の意思を忖度しているのではないか。そういう場面は多々あった」
具体的にあげたのは荒木千陽代表の就任。荒木氏は9月、小池氏含む幹部3人によって選ばれ、全55人の所属都議には議員総会での「事後報告」だった。同月13日の就任会見で荒木氏らは「規約にのっとった選任だ」と発言。これに対し、音喜多氏は次のように推測している。
「規約づくりには私も携わった。私は自民・公明・共産党や海外の政党の規約まで勉強し、100条以上からなる案を作成した。だが、前代表が『この規約では意思決定がすぐできない』と、現行の30条程度のコンパクトな規約に決まった。前代表は、知事がすぐに決められるようにという意思を持っていたと思う」