NHKが、当時31歳の女性記者が4年前に心不全で死亡し、過労死と認定されていたことを公表した。NHKを始め、各メディアも報じたが、その扱いにはバラつきが見られた。
また、ツイッターでは「記者の過労死。NHKに限ったことではなく、マスコミ業界全体の問題」「結局、ブラックなのはマスコミでした、っていう事?」といった指摘が相次いでいた。
NHK「職員の健康確保の徹底をさらに進めていきます」
NHKは2017年10月4日夜、当時NHK首都圏放送センターに勤務していた佐戸未和記者(当時31)が13年7月、自宅でうっ血性心不全で亡くなり、その後、労働基準監督署に長時間労働による過労死と認定されていた、と発表した。
NHKは21時からの「NEWS WATCH(ニュース・ウオッチ)9」でも、7項目目で取り上げた。佐戸さんは当時、東京都庁の担当で、都議選や参院選挙などの取材にあたり、亡くなる前の1か月間の時間外労働時間が約159時間と認定されたことなどを伝えた。再発防止の決意を示し、改革の徹底を図るために外部公表が必要だとNHKが今回、判断したことや、佐戸さんの両親のコメントも報じ、
「ともに公共放送を支えてきた職員が亡くなり、過労死の労災認定を受けたことを重く受け止めています。このことをきっかけに記者の勤務制度を見直すなど働き方改革に取り組んでおり、職員の健康確保の徹底をさらに進めていきます」
とするNHKのコメントもアナウンサーが読み上げた。「原稿読み上げ」以外のコメントや会話は、スタジオでは交わされなかった。放送時間は約2分間だった。また、翌朝7時台の「NHKニュース おはよう日本」では、このニュースは取り上げなかった。
4日夜の各民放ニュースでも、NHKの発表を取り上げた。テレビ朝日系「報道ステーション」と日本テレビ系「NEWS ZERO(ニュース・ゼロ)」は、番組途中でストレートニュースとして原稿が読み上げられただけだった。