「政治の実権を握る」「悪女」のイメージ
また日野富子については、(これも最近の研究では見直されつつあるが)その蓄財ぶりや政治・戦乱への私情を交えた介入から「悪女」とのイメージが強い。たとえば、2006年4月に産経新聞の大阪夕刊(19、20日)に掲載された歴史家との対談記事では、
「日本史上の悪女の代表のようにいわれますが、果たしてそうなのでしょうか...」
「あの日野富子が悪女でないと?」
といったやり取りもある。また、2011年6月2日の朝日新聞夕刊に載った歴史研究家による記事の中には、
「戦乱のさなか、富子はもくろみどおり、溺愛する義尚を9代将軍にすることに成功、9歳の新将軍を補佐する形で政治の実権を握った」
との指摘がある。
小池知事と日野富子のイメージをつなぐキーワードが、「政治の実権を握る」なのか「悪女」なのかは不明だが、ツイッターには、今回の細川元首相インタビューが報道される前から、両者を結び付ける書き込みは登場していた。
小池知事が9月25日に「希望の党」の立ち上げや、自身が代表に就くことなどを会見で公表した以降、ツイッターでは、
「小池百合子さんが、日野富子に見えるんですが」(27日)
「淀君や日野富子が本当に悪女だったかはさておき、場合によってはそのレベルで語り継がれるぞ小池百合子」(27日)
「なんか、小池百合子=日野富子で、応仁の乱の様相を呈してきた気がするんですけど...」(28日)
などの「つぶやき」が寄せられていた。今回の細川元首相インタビューでの「応仁の乱」発言を受け、小池知事を見て日野富子を連想する流れが加速する可能性もある。
もっとも、日野富子をめぐっては、悪いイメージばかりではない、2015年6月30日の大阪読売新聞の夕刊記事によると、「悪女」「守銭奴」などのイメージもあるが、私財を投じて内裏(天皇の御所)を復興し、「応仁の乱を最終的に終息させたのも富子だった」という働きを見せたという。