東京都の地域政党「都民ファーストの会」から離党を検討している音喜多駿都議が2017年10月4日、報道番組に出演し、小池百合子知事や党に抱いている疑念を明かした。
メディア出演は「厳しく規制されていた」ほか、「新人議員と食事に行こうとすると、『派閥づくり』だと呼び出されて叱責を受けた」など、党運営のエピソードを語っている。
メディアには「事実上出られない状態」
音喜多氏や上田令子都議が離党を検討していることは3日に浮上。4日の「モーニングCROSS」(TOKYO MX)に電話出演した音喜多氏は、要因として、都民ファ元代表で現在特別顧問をつとめる小池知事の姿勢に「疑問を持った」と話している。
築地・豊洲市場や東京五輪など都政の問題が山積する中、知事の小池氏が「希望の党」を旗揚げして国政進出をうかがうのは「全然順番が違う」と指摘。また、党代表の選出方法が「ブラックボックス」と揶揄された都民ファについて、「小池知事は『いつどこで誰が決めているか分からない都政を打破する』と言ってきた。そんな我々がいま、同じ穴のムジナだ」と嘆いた。希望の党にもこう言及している。
「我々は情報公開の徹底や、しがらみのない政治を訴えて都議選を戦った。ところが内部でもそれらが達成できていない。この状況で国政進出しても、希望の党が掲げるスローガンが達成できるかと言われれば、極めて疑問だと率直に思う」
都民ファ議員はメディア出演やアンケート回答に消極的な対応をとっており、党から締め付けがあるとの見方もある。これについて音喜多氏は
「議員によってレベル差はあったと思う。少なくとも私はメディア出演が厳しく規制されていて、事実上出られない状態だ」
と明かした。さらに、
「新人議員と食事に行こうとしたら、『分派活動、派閥づくりの行動』だということで呼び出され、党役員から厳しく叱責を受けた」
とのエピソードも話した。
「印象操作されるのは極めて遺憾だ」
一部報道では離党について、国政転身をねらった音喜多氏が希望の党の公認を得られなかったため、とする都民ファ幹部の見解が流れた。これに音喜多氏は番組で、「希望の党から出馬してくれという話があったのは事実」とした上で「私は都政に専念したい。地元は捨てられないから断った」という。自ら希望の党公認を求めていたようにされた点に、「印象操作されるのは極めて遺憾だ。そう言われるなら反論しなければならないと思う」と不快感を示した。
一方、音喜多氏は16年の都知事選以来、小池氏を支持してきた。堀潤キャスターに「見る目がなかった、との声もある」と問われると、「厳しい意見は受け止める。小池知事を応援していた私が『見る目がなかった』と言われたら、返す言葉がない」としながら、「今後は小池知事に意見できる立場になる。結果を出していきたい」と答えた。当面は無所属の都議として活動する予定という。
音喜多氏はこのテレビ出演に先立ち、4日未明にブログを更新。都議会定例会が5日まで続くことから、「仮に離党という結論になれば、5日の夕刻に記者会見などしかるべき形で、理由や背景などを詳らかにさせていただきたいと思います」としている。