これまでも衆院選立候補に否定的な見解を示していた東京都の小池百合子都知事(「希望の党」代表)が、新聞各紙のインタビューで出馬しない意向を明言した。希望の党は2017年10月3日に192人を公認すると発表し、最終的には過半数の233人以上を擁立する考え。
衆院選後は首班(首相)指名が焦点だが、「党の顔」にあたる小池氏が衆院選に出馬しない以上、「結果を見て判断する」(小池氏、読売新聞インタビューで)と、白紙の状態。政府側は、こういった状況を「国民にとって分かりにくい」「堂々と出馬宣言を」などとして攻撃材料にしたい構えのようだ。
投開票日にはパリで公務の予定
小池氏は2017年10月3日に朝刊各紙が掲載したインタビューで
「私は最初から出馬しないと言っている。100%ない」(読売新聞)
「ない。最初から言っている」(産経新聞)
「出ません」(毎日新聞)
などと衆院選出馬を否定した。小池氏は現時点では投開票日の10月22日からパリで始まるイベントに都知事の公務として出席予定。産経新聞のウェブサイトの掲載されたインタビュー詳報によると、10月21日夜に羽田を出発する飛行機に乗ることを繰り返し明言している。
それでも政府からは「出馬論」が消えない。菅義偉官房長官は10月3日午前の記者会見で、小池氏がよく使う「透明性」という言葉を皮肉交じりに使いながら、次のように小池氏の発言を批判した。
「国政を担う責任というのは、きわめて重いものがある。政権獲得を実現できるようにしたい、小池さんはそのように発言しているようだ。まさに党の代表が国政に専念せずに...、また、誰を首班指名するのか。政権獲得が実現すれば首班指名は必要だ。そうしたことを明らかにしていない。国民にとっては非常に分かりにくいことになるのだろうと思う。国のことを思うのであれば、堂々と出馬宣言をして、国民生活に関わる重要な課題について、真正面から政策論争をやる。こうしたことが、小池知事が常日頃言っている『政治の透明性』、そうしたことからも、非常に分かりやすいのではないか」