平昌五輪の公式ウェブサイトの地図から、「East Sea」(東海)と「Dokdo」(独島)の表記が消えた。確認できる範囲では少なくとも2017年9月28日まで同表記がなされていたが、10月3日現在、表示されていた地図自体が消えて別デザインとなり、結果として両表記も消えている。
平昌五輪サイトをめぐっては9月下旬、世界地図に日本が描かれていないとして大きな物議を醸し、その後描き込まれるに至っていた。
新デザインは「2つの円」
平昌五輪サイトの「開催地情報」のページには10月3日現在、「平昌山岳地区」と「江陵海岸地区」と書かれた2つの円、およびそれぞれの競技場のビジュアル画像だけがデザインされている。背景は真っ白だ。もはや「地図」ではなくなっている。
だが、少し前まで違うデザインだった。上記2つの円の背景は白一色ではなく、韓国の市や郡の境界線が引かれた地図があり、「平昌郡」や「旌善(チョンソン)郡」といった地名も書かれている。この旧バージョンの画面左上には、朝鮮半島全体が周辺海域も含め分かる広域地図も描かれていた。そしてこの地図上では、日本海が「East Sea」(東海)、竹島が「Dokdo」(独島)とそれぞれ表記されていたため物議を醸していた。1月にこの表記が発覚し、外務省は対応を要請していた。
それが現行バージョンは、東海と独島の表記を含んだこの左上の朝鮮半島の地図自体がなくなっている。全体として白色の占める割合が多く、かなり簡素化された印象だ。
山田宏参院議員「報告です」
これまでもこの問題をツイッターで取り上げていた自民党の山田宏・参院議員は10月3日、「報告です。平昌オリンピック公式ホームページ。わが国の抗議で、日本列島が消されていた件は訂正されたが、『East Sea(東海)』表記の地図もやっと削除されました」と投稿。旧バージョンと現行バージョンそれぞれのスクリーンショット画像を同時にアップしている。
なおインターネット上に残されたキャッシュで確認できる範囲では、少なくとも9月28日朝までは東海や独島と書かれた旧バージョンだった。10月2日付で産経新聞(ウェブ版)に掲載された記事でも東海や独島の表記が残っている旨を報じている。
平昌五輪サイトは、「開催地情報」とは別の「ドリーム・プログラム」というページの世界地図に日本が描かれていないとして騒動になった。菅義偉官房長官は9月27日、スポーツ庁から韓国側に是正を申し入れた旨を述べていた。その後同日中に、日本が新たに描き込まれたのが確認されたが、「開催地情報」ページの東海や独島の表記は残っていた。