北朝鮮メディアがこれまでにない表現で、日本を核兵器で攻撃するとする威嚇を展開している。わざわざ日本人が「地球で唯一核惨禍をこうむった」ことを指摘しながら、日本の政治家は北朝鮮への「圧力」政策で緊張を高め、核戦争のリスクにさらしているという内容だ。
北朝鮮は2017年9月、米国の制裁に同調する日本を非難する中で、「日本列島を核爆弾で海に沈めなければならない」と威嚇したばかりだ。
衆院解散、総選挙で「不純な政治目的を電撃的に実現」
安倍晋三首相や河野太郎外相が国連総会のためにニューヨークに出向いた際、北朝鮮に「最大の圧力」をかけることで国際社会に理解を求めたことに対して、北朝鮮が反発している。
朝鮮中央通信が10月2日に「日本の領土を政略実現のいけにえにするつもりか」と題して配信した論評記事では、安倍政権が衆院解散と総選挙に踏み切ったことなどに触れて 「不純な政治目的を電撃的に実現している。しかし、会心の笑みを浮かべるにはあまり早い」
と警告。次のように、北朝鮮に圧力をかけ続けることは核戦争につながると主張した。
「朝鮮半島情勢の緊張をあおり立てる日本の反共和国制裁・圧力騒動はすなわち、日本列島に核の雲をもたらす自滅行為である」(日本語版、原文ママ)
朝鮮中央通信は事実上、北朝鮮当局の見解を伝えるメディアとして知られる。
「火がつけば瞬く間に全日本列島を呑み込む」
その上で、核戦争はいつでも起こり得ることで、その場合は日本列島を「またたく間に飲み込む」とした。
「一触即発の情勢がいつ、どの時刻に爆発して核戦争と化するかは誰も知らないことであるが、いったん、火がつけば瞬く間に全日本列島を呑み込むようになるということは、あまりにも自明の事実である。地球で唯一核惨禍をこうむった日本人民が、またもや幾人かの軍国主義反動分子らの政略実現のいけにえになるなら、それは世紀の悲劇になるであろう」
朝鮮中央通信が9月13日に配信した朝鮮アジア太平洋平和委員会の声明では、
「日本列島4島を核爆弾で海に沈めなければならない」
と威嚇したばかりだ。