ゆっくり行なうスクワットが、キツイが効果絶大
ヒップの「霜降り化」を解消する方法はあるのだろうか。市原佑梨さんは、国際武道大学准教授の荒川裕志さんに効率の良いヒップアップトレーニング法を教えてもらった。「ブルガリアン・スクワット」だ(写真参照)。イスなどに足をかけて片足ずつ行なうもので、ヒップ全体の筋肉(臀筋群)や太ももの裏側のハムストリングなどを鍛える。方法は次のとおりだ。
(1)ひざの高さぐらいのイスを用意する。少し前に出て、イスに片足を乗せる。カラダがぐらぐらする場合は壁に手を付いてもオッケイ。
(2)お尻を引いて、お辞儀をしながらしゃがむ。大事なのはしっかりお辞儀をして、お尻を後ろに突き出してしゃがむこと。
(3)ももが地面と平行になるぐらいまでカラダをゆっくり下げる。
(4)上がるときもゆっくりと、力を抜かないよう上がりきる手前まで行なうのがコツ。これを片足10回ずつ2セット行なう。1日たった5分だ。
大事なのはゆっくり行なうことだ。かなりキツイので、早く終わらせたくなるが、常に負荷がかかるようにゆっくりした動作で行うと、力がいれっぱなし状態になり、非常に効果があがる。足が伸びきってしまうと、負荷がかからず休むことになるので、その手前で次の動作に移る。1日に5分、週3回で成果が出る。毎日やるよりも、むしろ休みを入れたほうが効果は高いという。
市原佑梨さんは、「ブルガリアン・スクワット」を1か月続け、再び江戸川病院でヒップを計測すると、何とヒップトップが0.5センチアップし、ヒップの下部も1.5センチ上に。臀部の「霜降り肉」状態の白色部分が少し消えて改善した。本当は3か月以上続けるのが望ましいという。
市原さん「最初の2週間は、お尻が痛く、カラダがプルプル震えましたが、3週間目からやるのが楽しくなりました」
さて、スクワットのような筋トレをわざわざしなくても、毎日の習慣の中でヒップアップ効果になる「運動」がある。大股歩きだ。ワコールの上家さんらは、40代になっても20代の頃のヒップトップを維持している人に注目し、いったい何が普通の40代と違うのか生活習慣を調査した。すると、彼女たちが歩く歩幅はほかの40代に比べ、平均で7センチ長いことがわかった。普段から大股でキビキビ歩くことがヒップアップにつながっていたのだ。
上家さん「私たちの研究では、意識して大股で歩く生活を3か月間続けると、参加した女性たちのヒップの高さが平均で0.5センチ上になりました。1年間続けた人では3センチもアップした例があります。しっかり歩きを続けると体型的にもキレイになるのです」