キリンHD株価の高値圏 ブラジルで払った「高い授業料」のお蔭?

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アジア・オセアニアでの展開に注力する海外事業は強化する方針

   こうした負の遺産の処理に加え、国内不動産の売却益やコスト削減もあってキリンHDは2017年12月期の業績予想を段階的に上方修正。最新の8月3日(17年6月中間決算発表時)の予想では経常利益は10.9%増の1560億円と過去最高を見込む。営業利益は7.1%増の1520億円。純利益は3.5%減の1140億円とするが、従来予想を20億円上回る。

   キリンHDは縮む国内ビール類市場で過度なシェア争いを避けたい考えで、販促費の投入を抑制し、利益の出る体質を目指す。半面、ブラジルでは失敗したものの、アジア・オセアニアでの展開に注力する海外事業は強化する方針。2015年にミャンマーのビール最大手を約700億円かけて子会社化したのに続き、次なる大型買収に向けて負債の圧縮を急ぐ。新たな買収対象としてベトナムの国営ビール会社などが視野に入っている模様だ。香港やシンガポールには日本でも人気の缶チューハイを輸出しており、こうした分野の事業展開も拡大したい考えだ。

   ブラジルでの失敗は損切りして果敢に次に進む。そんなチャレンジ精神が投資家の好感を得ているようだ。

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