野球評論家の野村克也氏(82)が2017年10月1日、球団史上初めてクライマックスシリーズ(CS)進出を逃した巨人を「これだけの戦力を持ってBクラスに甘んじるのは、考えられない」とバッサリ切り捨てた。
「何、この野球。負けに行っているの?」
野村氏は10月1日、TBS系のスポーツ番組「S☆1」に録画で出演した。上本博紀内野手(阪神)が5回表、2番手・畠世周投手(巨人)の初球・ストレートに反応し、スタンド中段へソロ本塁打を放つと、野村氏は
「頭のどこかに(前日の危険球が)ある。『今日もぶつけたら申し訳ない』。そういう思いが失投を呼んでいる」
とボヤいた。畠は前日(9月30日)の阪神戦で、上本への危険球で退場処分を受けていた。
畠は次打者・糸井嘉男外野手(阪神)にも、初球のストレートをスタンドに運ばれる。野村氏は小林誠司捕手(巨人)のリードに
「真っ直ぐ打たれて、次の打者に真っ直ぐいく?まったく脳みそが機能していない」
と怒りを露わに。3点ビハインドで迎えた6回ウラの攻撃で、先頭打者の阿部慎之介内野手(巨人)が初球のストレートを引っかけると、野村氏の怒りは頂点に達した。
「何、この野球。負けに行っているの?4番バッターか知らないけど、先頭バッターじゃん。とにかく塁に出ることを考えればいいのに。巨人は何が何でもAクラスに滑り込もうという気があるのかね。淡々とやっているよね」
「燃えるような顔でやっているやつが誰もいない」
巨人は結局、阪神に4‐5で敗れた。広島に13‐7で勝ったDeNAが、巨人との3位争いを制し、Aクラス入りを決めた。
11年ぶりにBクラスに転落した巨人は、2007年のCS創設以来、初めて出場を逃すことに。
野村氏はDeNAに「横浜(DeNA)はよくやったと思う」とねぎらいの言葉をかける一方、
「その逆が巨人だよ。これだけの戦力を持ってBクラスに甘んじるのは、考えられない」
と巨人をこき下ろした。チーム全体の士気が低すぎるとして
「(やる気が)顔に出てこないでしょ。燃えるような顔でやっているやつが誰もいない」
と断じ、
「中心なき組織は機能しない。阿部(慎之介)が中心になって、野手を引っ張っていかなきゃダメ」
と指摘していた。