小池新党「希望の党」で候補者調整などに当たっている若狭勝・前衆院議員が、同党代表の小池百合子・都知事の国政立候補について、「次の次ぐらいの時」とテレビ討論番組で発言した。
前提として、「政権交代の見通しがあれば(小池氏が)国政に出ることもあり得る」とも述べており、若狭氏発言は要するに、「今回は政権交代は目指さない、と仰った」(自民党の塩谷立・選挙対策委員長)ということだ、との受け止め方も広がった。この若狭氏発言を受け、日本維新の会代表の松井一郎・大阪府知事は「未熟なところがある」と、あきれた様な反応を示した。
NHK「日曜討論」で持論展開
若狭氏は2017年10月1日、NHK「日曜討論」で各党の代表・担当者らと共に出演。小池知事の衆院選対応について「今回は出ないのではないかと思っている」との見通しを示した。
小池知事は、9月25日の「希望の党」の結党宣言の会見の際、「これは政権選択選挙になる」と述べている。政権選択を掲げる事と今回の衆院選に立候補しない「ズレ」について質問されると、若狭氏は
「政権交代をいつ目的(編注:目標の意か)としているか、ということがある」
「今回の選挙において、確実に政権交代になるという見通しがあるんであれば、そこで小池代表が国政に出るということもあり得る」
「(現在の調整中の話を踏まえて言うと)次の次?ぐらいの時に確実に交代出来るような議席数に達する、という思いでいるとすれば、今回の選挙に(小池代表が)出るということでなくても構わない」
などと述べた。司会者は「次の次」について、「今回の衆院選の次」という意味かと確認、若狭氏は、そうだと認めた。
これを聞いた自民党の塩谷立・選対委員長はすかさず、「今回は(政権交代を)目指さないと仰った」と、つっ込みを入れた。若狭氏は「目指さないと断言したわけではない」として、候補者数との兼ね合いだと反論したが、塩谷氏は「(目指さないと)そう言ったですよ」と、請け合わなかった。
「正直な人だと思うけど、頼りなさを感じる」
この若狭氏発言を受け翌2日、松井府知事は、若狭氏が「政治の世界に入ってまだ短期間」で、発言については「ちょっと未熟なところがあるんじゃないか」と指摘した。具体的に「次の次」という表現については、有権者は「何言ってるの?」と思うのではないか、との見方も示した。朝日新聞(ネット版)などが同日、伝えた。
同じ2日の菅義偉・官房長官の午前の会見でも、若狭氏発言に関連して質問が出た。小池氏の立候補については、政府としての見解は控えるとしながらも、「堂々と出馬宣言して」考え方を示し、政策論争をする必要があると述べた。さらに、若狭氏の「次の次」発言などについて、「非常に驚いたんですけども」「都民や国民の皆さんは、どう思われるのでしょうね」と、苦笑まじりに答えていた。
若狭氏発言や、それに対する松井知事による批判発言の報道を受け、2日のツイッターには、
「未熟だし、バカ正直だよね」
「若狭さんは正直な人だと思うけど、頼りなさを感じる」
「(次の次を目指すのは良いが)それを当事者が言ってはいけない」
「口が軽いなー」
といった、若狭氏に批判的な声が相次いで寄せられていた。中には、
「松井さん、維新も未熟よ」
といった指摘も出ていた。
若狭氏は、元検事のいわゆる「ヤメ検」。2014年12月の衆院選で、比例東京ブロックから自民党公認(比例単独)として初当選。16年夏の東京都知事選への小池氏の転出を受けた秋の補選(東京10区)で、自民党公認で当選した。その後、自民党を離党している。