村の97%を山林が占め人口約450人程度の「秘境」、和歌山県北山村が観光協会配属の職員を総務省の「地域おこし協力隊」制度を使って募集したところ、1カ月近くたっても「問い合わせもない」状態が続いた。
そうしたことが新聞記事になり、採用条件を知った人たちから「誰が応募するのか?」などといった批判が出ることになった。村の担当者はJ-CASTニュースの取材に対し、条件の見直しを検討していると語った。
20~35歳で車を持ちパソコン操作にたけ月給は16万6000円
読売新聞が2017年9月28日にネット配信した記事の見出しは、
「地域おこし隊、応募ゼロ...『問い合わせもない』」
となっている。町興しをするためにはパソコン操作にたけた人材が必要だと「地域おこし協力隊」の公募を決め、9月5日から募集を開始した。配属先は村の観光協会で、20~35歳の1、2人を採用する。報酬は月額16万6000円と書いている。募集要項を見るとこの他にも、3大都市圏など都市部に在住している人、委嘱後に北山村へ住民票を異動させて生活できる人、自家用車を所有し運転している人、などが書かれている。住む家は用意されるが、家賃が発生する。勤務期間は最長3年だ。これらの条件についてネット上では、まず、都市部に住んでいる若者は車を持っていない人が多い、ということから始まり、
「東京の荒波に負けたUターンは40オーバーしていることを分かってないな。35歳とか都会で歯食いしばってるわ」
「若い人に働きに来てもらうということは、その若い層に向けて魅力的なものを提示する必要があるのに、それらを全部蔑ろにしている」
「車はあるけど16万じゃ維持費で死ぬわ」
などといったことが掲示板に書き込まれた。さらに、
「そもそも補助金でしか給料払わないドケチな村が本当に村興しする気あるのか疑問」
というものもあった。実はこの募集要項、総務省の「地域おこし協力隊推進要綱」に則ったものなのだ。