男女とも顔が正方形に近いほど性欲が強い
さて、アーロッキー教授らは2つの研究で、この説を確かめた。1つ目は145人の男女学生が対象だ。全員、互いに関係があったカップル同士だ。そして、性行動について詳細な聞き取り調査をした。「性欲の強さ」「性行為の頻度」「自慰の頻度」「性的趣味・志向」「性の相手の数」などだ。
もう1つの研究は、1つ目とは別の314人の男女学生が対象だ。こちらはカップルかどうかは関係なく選んだ。そして、1つ目の研究と同じ内容の聞き取り調査を行なった。そして、両方の研究とも学生たちの顔写真からFWHRの値を測り、「性欲の強さ」などの性行動と比較した。すると、次のことがわかった。
(1)男女とも細長い顔の人より、FWHRの値が高くて正方形(あるいは円形)に近い人の方が性欲は強く、性行為の頻度も多かった。
(2)特に男性の場合は、正方形に近い人ほど「カジュアルセックス」(複数の相手との気軽なセックス)を好み、浮気性になる傾向がある。
(3)しかし、女性の場合は正方形に近くても、「カジュアルセックス」を好む傾向はなかった。
(4)実は研究チームは、「浮気性」であるかどうかについては、1つ目の研究で、本人の回答だけではなく、カップルの相手に互いの性行動を尋ねており、念を入れて確かめていた。
今回の結果について、アーロッキー教授はプレスリリースの中でこう語っている。
「私たちの研究から、顔の形によってその人のセクシャリティーをある程度判断することが可能になったと考えます。正方形に近い男女はセックスに貪欲で積極的です。特に男性は、パートナーに不誠実になる可能性が高いといえるでしょう」
この研究は大きな反響を呼び、フォーブス誌、ハフィントンポスト、サン紙、デイリー・メール紙など多くの欧米メディアに取り上げられた。デイリー・メール紙(9月20日付)は「正方形の有名男性」として、ジャック・ニコルソン、ブラッド・ピット、アーノルド・シュワルツェネッガー、ジュード・ロウらを女性遍歴とともに大きな顔写真で紹介した。一方、ハフィントンポスト(9月20日付)は、「研究を過信しないで」と呼びかけ、記事の最後を「鏡を持って、顔を覗き込んで、研究が本当かどうか確かめてみよう。楽しい実験になるかもしれない」と結んでいる。