総選挙もにらみ 「生臭い」金融政策論議が続く

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ヘリマネ論、再び

   こうした状況では、将来、物価目標達成(2%)により「出口」、つまり、利上げや資産圧縮の段階を迎えた時、利払いの増加を避けたい政府が、利上げに抵抗するのは想像に難くなく、そこで日銀の政府からの独立性が守れるのか、危惧する声も多い。

   こうした状況の中で、さらに緩和を求めるのがリフレ派だ。元日銀審議委員の中原伸之氏らが、ここにきて「ヘリコプターマネー(ヘリマネ)」を再び主張している。

   中原氏は17年8月の日経新聞のインタビューで、「来年、総裁が替わるタイミングで政府と新たなアコードを結ぶのがよい。財政出動と金融政策の融合が必要だ。日銀保有国債の一部、例えば50兆円を無利子の永久国債に転換すべきだ。償還の必要がなくなる分、政府が新たな建設国債を発行する余地ができる。政府が防災対策などに10年間で100兆円のインフラ投資をする。そのために期間60年の建設国債を発行して、日銀が市中で購入すればよい」などと述べている。国が返さなくてもよい形で借金し、日銀はその証文である国債を購入して量的緩和を拡大する。回収しなくてもよいお金を市中にばらまく効果が見込めるという意味で、ヘリコプターでお金をばらまく例えのヘリマネの考え方と言える。

   もちろん、ヘリマネには「財政法が禁じる国債の直接引き受けと同じ」「通貨の信認を損なう」との批判が強く、日銀も消極的で、現実には実現する可能性は低いといえる。

   それでも、総選挙と黒田総裁の来春の任期をにらんだ後任人事(続投を含め)も絡んで、生臭い金融政策論議がしばらく続きそうだ。

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