衝撃!選手の心停止、蘇生術の間違い多すぎ 正しく心臓マッサージする例が3割

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古い救命法の「舌の巻き込み防止」が6割以上

   「その結果は驚くべきものでした」と研究チームのディナ・ビスキン博士は、論文の中で語る。同僚選手や救護班が最初に行なった救命活動の65%が、気道がふさがらないよう舌の巻き込みを防ぐ処置だった。無理やり口を開いたり、舌を引っ張り出したり、首の位置を横向きにしたりするものだ。

   実は「気道の確保」は2000年頃までは最優先の救命処置とされたが、現在では「胸骨圧迫」(心臓マッサージ)を最初に行なわなくてはならないとされている。米国心臓学会のガイドラインでもそうなっているし、東京消防庁のウェブサイト「倒れている人を見たら 心肺蘇生の手順」でも、「声かけ」「呼吸の確認」のあとはすぐに「胸骨圧迫」となっている。そして、AEDが到着したらすぐに使用する。

   正しい胸骨圧迫を最初に行なったのは38%だけで、AEDを持ってきたのは2例(7%)しかなかった。しかも、そのうちの1件は発作後10分を経過していた。AEDは5分以内でないと効果が期待できないとされている。

   ビスキン博士は、論文の結論でこう語っている。

「FIFA(世界サッカー協会)も試合中の発作に対しては、胸骨圧迫(心臓マッサージ)が一番重要であることを強調し、選手や医療スタッフの訓練を行なっているはずです。しかし、現実には古い救命法である舌の巻き込み防止に、初期の大事な時間を取られ、倒れた選手の呼吸の確認さえしない映像がみられました。助かる命が助からなくなりますから、正しい方法をぜひ学んでほしいものです」
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