菅直人氏「リベラル勢力、結集するチャンス」 小池新党の「選別」うけ「うごめき」

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   民進党・前原誠司代表による、「希望の党」への合流表明から3日。小池百合子代表ら希望執行部の公認基準が伝えられるなか、新聞各社は「リベラル新党」誕生の可能性を報じるなど、民進党前衆院議員らの「分裂」が現実味を増している。

   菅直人元首相は2017年10月1日、ブログで「リベラル政治勢力結集のチャンス」だと書いた。菅氏をめぐっては、「希望」の細野豪志氏が「三権の長を経験した方々には(希望への合流を)ご遠慮いただいた方が良い」と発言するなど、その動向が注目されている。

  • 菅直人氏(2011年6月撮影)
    菅直人氏(2011年6月撮影)
  • 菅直人氏(2011年6月撮影)

菅氏「郵政選挙の小泉総理と酷似」

   菅氏はこれまで、「原発ゼロ」を公約に掲げる、希望と小池代表に一定の評価をしてきた。9月26日には、小池氏をドイツのメルケル首相になぞらえて、

「私も全力で取り組んできた『原発ゼロ』を小池氏が新党の公約に掲げたことには大歓迎で、大いに協力したいと思います」

と持ち上げている。しかし、細野氏の「三権の長」発言や、安保法制や憲法改正賛成を公認条件とする「踏み絵」が報じられるにつれ、徐々にトーンダウン。10月1日の投稿では、

「小池氏の最近の言動は、2005年の郵政選挙の時の小泉総理と酷似しています」

とし、郵政民営化反対派に「刺客」を送った小泉純一郎元首相と、民進党のリベラル派に「刺客」を送ろうとしている小池氏との類似点を示しつつ、批判に転じている。

   ブログでは、菅氏の元に「日本にリベラルな政治勢力がなくなるのではないか」との声が届いていると明かす一方で、この状況はリベラルにとっても「チャンス」だとも述べている。

「原発ゼロを明確化し、行き過ぎた自由競争による格差拡大に歯止めをかけ、未来世代に誰もが安心できる日本を手渡すことを政策の柱とするリベラル政治勢力を、従来の枠組みを超えて結集するのチャンスです。若くてリベラルな感性を持つ仲間を国会に送るチャンスです」(原文ママ)

「リベラル新党」結成の可能性

   民進リベラル派の前衆院議員は、ここにきて相次いで、「脱希望」の立場を示している。9月30日には、辻元清美幹事長代行が「私はリベラルの力と重要性を信じています。ですから、私は(希望の党へは)行きません」とコメント。阿部知子副代表も同日夜、ツイッターで、

「鳴り物入りで登場した希望の党に民進党が合流する目的は、より大きな塊となって安倍政治を終わらせることがだった。だが小池党首が希望の党の公認にあたって、その候補者の信条、とりわけ安保法制や憲法改正への態度、などを踏み絵とすることを表明して選別が始まった」(原文ママ)

として、「安倍政権に代わる新しい独裁」だと非難している。

   そんな中、浮上しているのが、「リベラル新党」の可能性だ。赤松広隆・元衆院副議長は30日、「新しい政党も選択肢のひとつ」と発言。10月1日の全国紙各紙も、朝刊1面トップに「民進リベラル 新党模索」を持ってきた読売新聞(東京版)をはじめ、新党結成の可能性について報じている。

   リベラル新党について、ツイッターでは「やっと動いたか?」「いくら新党作っても無駄」など、左右両方からの反応が出ているほか、新党結成ではなく、社民党や共産党など既存のリベラル政党への合流はどうか、との声もあった。

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