安い高速鉄道の料金
インドは17年5月22日、「ムンバイ―ゴア」間に「テジャス・エクスプレス(Tejas Express)」と命名した列車を投入した。この列車は確かにはすばらしく、「エクスプレス(特急)」とはいうものの、600キロを9時間で走行し、最高時速は200キロではあるものの、平均運行時速がわずか67キロに過ぎない。
この「テジャス・エクスプレス」の普通乗車料金は1220ルピー(約2100円)、ビジネスクラスは2540ルピー (約4400円)。これに対して、高速鉄道「ムンバイ―アーメダバード」間の500キロの普通乗車料金は1000ルピー(約1700円)と安い。
「ムンバイ―ゴア」間はインドで最も経済的に発展した地区で、ゴアの1人当たりの国内総生産(GDP)はインド全土の2.5倍であり、国際観光都市でもある。しかし、その割には、「エクスプレス」の乗客数はそれほどでもなく、列車の運行はわずか週5回しかないのである。しかも、4カ月に達する雨季は、週3回運行に減ってしまう。
将来的に高速鉄道の乗車券は「エクスプレス」よりさらに高価になるだろう。しかし、日本側の調査研究によると、インドの旅客が受け入れ可能な高速鉄道乗車料金は普通乗車料金のわずか1.5倍だという。
日印の高速鉄道がコストを回収できるのはいつのことになるのか。
(在北京ジャーナリスト 陳言)