「リベラル派」結集できるか 市民連合「希望」と共闘否定、山口二郎氏「判断のタイムリミット迫る」

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   民進・共産・自由・社民の4野党共闘を促してきた「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)が、民進党の事実上の合流先である「希望の党」との共闘を否定した。

   民進党の「希望」への合流について、市民連合は「構築してきた市民と立憲野党の協力の枠組みが大きく損なわれてしまった」と無念さをにじませており、共産党も「希望」への対抗候補を立てる方針だ。「反安倍」で野党が結集できる可能性が低くなった今、いわゆる「リベラル派」は衆院選にどう臨むのか。

  • 「市民連合」は安全保障関連法の廃止などを訴えている(写真は2015年7月、安保法案に反対する国会前デモの様子)
    「市民連合」は安全保障関連法の廃止などを訴えている(写真は2015年7月、安保法案に反対する国会前デモの様子)
  • 「市民連合」は安全保障関連法の廃止などを訴えている(写真は2015年7月、安保法案に反対する国会前デモの様子)

合流決定2日前に4野党と「基本的な合意」

   市民連合は2017年9月29日、「民進党の事実上の解党と希望の党への『合流』方針についての見解」と題する声明を発表した。

   市民連合は「9月26日に選挙協力の必要性と7項目の基本政策を内容とする要望書を4野党の幹事長・書記局長に提出し、基本的な合意を得ました」という。しかし、「民進党の前原誠司代表がその直後、希望の党の小池百合子代表と協議し、民進党所属の議員や党員、サポーター、さらに民進党に期待してきた市民に説明なく、希望の党への合流を主導してしまいました」としている。市民連合からすれば、はしごを外された形だ。前原・小池両氏は26日夜に連携について会談し、民進党は28日の両院議員総会で「希望」への事実上の合流の方針を承認している。

   そのため市民連合の声明では「この民進党の決定によって、これまで構築してきた市民と立憲野党の協力の枠組みが大きく損なわれてしまったことは否めません」と無念さをにじませている。

   衆院選に向けては、「安保法制を肯定する希望の党と市民連合が共闘することはありえません」と「希望」との協力を否定。「民進党から希望の党への合流については、今後まだまだ紆余曲折が予想されます」という見込みのもと、「地域レベルで立憲野党や立候補予定者と市民の協力体制が生きているところで市民結集により選挙を戦うなど、さまざまな可能性が残っています」と選挙戦に向けた体制を模索する考えだ。

   市民連合は15年9月の安保関連法案成立を機に、同年12月に結成。16年7月の参院選では、1人選挙区全32区での野党統一候補の擁立を後押しした。17年10月の衆院選でも野党共闘を後押しする方針を表明している。

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