東京都日野市の多摩動物公園で飼育されていた、メスのボルネオオランウータン「ジプシー」が、2017年9月27日に死んだ。推定年齢は62歳。
ネット上では「ジプシー」の死を悼む声が上がっている。
1958年以来、多摩動物公園を見守り続けていた
多摩動物公園の公式ツイッターは27日、「悲しく残念なお知らせ」として、「ジプシー」の死を伝えた。
「ずっと多摩動物公園を見守ってくれていました」と、長く同園を支えていたことを明かし、「胸が張り裂けそうです。今まで本当にありがとう。」と悲痛な思いと感謝の意を述べた。同日に英語でも訃報を伝えている。
「ジプシー」は1955年生まれで62歳と推定される、野生由来のボルネオオランウータン。飼育されているものとしては世界最高齢だった。
多摩動物公園は58年5月5日に開園しており、7月19日にボルネオから「ジプシー」が来園した。60年には、日野市長を仲人に、「ジプシー」がオスのオランウータンである「ドン・ホセ」との結婚式を挙げた。その後、4頭の子を残しており、日本国内のボルネオオランウータン33頭のうち、16頭がジプシーの血統となっている。
公益財団法人東京動物園協会の発表によると、「ジプシー」は2017年8月初めから口内で出血が見られるようになり、柔らかいものしか食べられなくなった。9月27日の午後に全身麻酔をかけ、口腔内の検査および治療を実施したが、麻酔からの覚醒後に容体が急変。蘇生措置もむなしく、同日16時過ぎに急性心不全で絶命した。
「とても落ち着いた気持ちになれて、大好きでした」
「ジプシー」の訃報を受けて、ネット上では、
「ジプシーさんありがとう...! ご冥福をお祈りします」
「ジプシーさんの訃報。本当に胸が張り裂けそうだ。」
「ジプシーさんに会いに行くと心がスッキリするというか、なんかとても落ち着いた気持ちになれて、大好きでした。」
と、「ジプシー」の死を悼む声や、「ジプシー」との思い出を懐古する声などが相次いでいる。