野生動物には不用意に触れないように
目に寄生虫が侵入するという報告はわずかだが確認されている。例えば、2017年2月にはやはり「New England Journal of Medicine」に「メマトイ」というショウジョウバエの幼虫が侵入、まぶたの裏に寄生する「東洋眼虫」という症例が報告された。ただ、これは本来イヌやネコの病気であることがわかっており、感染経路も予防接種を受けていないイヌだという。
サラス医師によると確認した限り人の小腸に寄生する「回虫」が目に達した症例はあるが、吸虫が眼球に寄生した例はないようだ。
今回の症例を報じた米CBSニュースの報道番組の中で米国の眼科医は、「吸虫が魚類や水だけでなく、陸上生物に寄生している可能性もある」とコメント。次のようにアドバイスしていた。
「イヌやアライグマ、スカンクなどもカニやカエル、魚のように吸虫を運ぶ可能性がある。何らかの形で卵が目に付着、皮膚から成虫が侵入する経路も否定できない。不用意に屋外で野生動物に触れるべきではないだろう」