自閉症の子どもは「音楽に早熟」 京大が研究で発見、不協和音に敏感

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アルビノーニの「アダージョ」に聞き惚れる?

   2つ目の実験では、不協和音をあまり含まない2曲と、作曲者があえて音楽効果を狙って不協和音を多く入れた2曲の計4曲で、最初の実験と同じように聞いている時間を比較した。ちなみに、作曲家があえて不協和音を多くした曲とは、シェーンベルグの「作品33」とアルビノーニの「アダージョ」だ。特に「アダージョ」は、雄渾多感で陰翳に富んだ旋律から、欧米では葬儀の時に最も多く使われる曲といわれる。オーソンウェルズ監督の映画「審判」(1962年)に使われ、日本の観客にも鮮烈な印象を与えた。

   その結果、1つ目の実験では不協和音を嫌う傾向があったのに、2つ目の実験では、自閉症児のグループは「アダージョ」など不協和音が多い楽曲を健常児のほぼ2倍も長く聞き続けることがわかった。

   この結果について、研究チームの正高信男教授は発表資料の中でこう語っている。

「自閉症は全人口の1~2%が該当すると考えられています。また、近年では脳の多様性の1つとして捉える考え方も出ています。今回、自閉症の子どもは、不協和音やその楽曲中での使われ方に関して健常児とは異なる反応を示しています。これは、ある種『早熟した』音楽の好みを持つことを示す結果です。今後も様々な自閉症の人の研究を重ねれば、自閉症と音楽的能力との関係をより深く理解できるようになると考えています」
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