「希望の党」代表の小池百合子氏が報道番組に生出演して質問を受け、「カチン」ときたような素ぶりを見せる場面があった。東京都知事でありながら国政政党の代表に立つことに「都政軽視ではないか」と問われた時だ。回答の様子にネット上では「図星だったんだろうなあ」といった声があがった。
小池氏はこの番組直前に開いた会見で、「私がまた国政に戻るんじゃないかと、今日も朝から晩までテレビで、後継が誰かということまでにぎわっている」と、報道の過熱ぶりに触れながら、自身の国政復帰の話題に言及していた。
「あなたも裏切られましたか?」
小池氏は2017年9月28日夕、「みんなのニュース」(フジテレビ系)に中継をつないで生出演し、質問を受けた。
伊藤利尋アナウンサーが「都知事になってから私も何度もうかがったが、ずっと国政に関わることは否定してきました」と聞いた時から、様子が変わりはじめた。小池氏は「はい、当然です」と返したが、伊藤アナは「国政政党の代表になった。これは都政軽視ではないかと、こういう声にどう思いますか」と質問。小池氏は食い気味で
「どうしてですか? ちょっと論理的に説明してください」
と逆質問。伊藤アナが「二足のわらじというところでは事実、都知事として出席する予定だったイベントをキャンセルしたと伝えられている。『全身全霊で都政に向かう』という言葉を裏切られたという声もあると思う」とすると、小池氏は
「あなたも裏切られましたか?」
と、またも質問で返した。
伊藤アナは再び「私は何度も『小池さん、国政に?』と質問すると、『もうその質問しないで』と言われてきた記憶があります。ところが、『もう私が引っ張ります、代表です、結党宣言します』となったので、これまでの発言と少し矛盾してないかなと」と聞き返したが、小池氏はこれも食い気味に
「全然矛盾してないと思います。以上です」
と首を振った。
「今の国会が変わらない限り、都政でしっかり頑張る」
その後、「自身は衆院選に出ないか」と問われ「そのことは一言も申し上げておりません」。さらに「出ない確率は何%ですか」と問われ「だからさっきから言ってるじゃないですか」と笑い、中継を終えた。
このやり取りはツイッターで話題を集め、「図星だったんだろうなあ...」「半分キレた対応」「答えになっていないですね。誤魔化しようがない矛盾」と小池氏の対応に疑問の声が相次いだ。
小池氏は28日午後、都内の日本記者クラブで会見。「私がまた国政に戻るんじゃないかと、今日も朝から晩までテレビで、後継が誰かということまでにぎわっているが」と切り出し、
「私は今の国会が変わらない限り、都政でしっかり頑張る」
「私のエネルギーは都のほうに置き、東京五輪・パラリンピックを準備し、東京を引っ張っていく」
と述べた。
その上で「原稿を書いているみなさんも、『次の知事選の候補者は誰』というのはあまりウケないと思うので、その点は申し上げておきたい」とメディアに釘を刺した。
「今の国会が変わらない限り」と述べた小池氏。日本の国会についてその直前に触れていた。
「誰であれ、総理になった人は苦労されてきたと思う。総理大臣が国会に対して直接質疑にこたえるというのは、他の国にない形だと思う。こういう形で行政トップの総理大臣を、『縛る』というと国会軽視と言われるので言葉は選ぶが、異様に日本の総理大臣は大変だと思う」