紫色野菜の食事療法で世界の農業を救う
バナマラ准教授はプレスリリースの中でこう語っている。
「紫ジャガイモのアントシアニンなどのポリフェノールの中に、大腸がん予防に関係する抗炎症抗酸化化合物が含まれているのです。今後は、その化合物が分子レベルでどう働いているかを突きとめたいです。白いジャガイモにも有用な化合物はありますが、紫色の方が化合物の濃度がはるかに高いのです。また、他のカラフルな野菜や果物、たとえば紫タマネギ、紫キャベツ、ブルーベリーなどを食べても同様の効果が期待できるでしょう。他にどんな植物が利用できるか、研究を進めます」
現在、「IL-6」を抑制する薬が関節リウマチなどに使われている。大腸がんの治療薬としても開発が進められているが、非常に高価なうえ、副作用が心配されている。バナマラ准教授はこう語る。
「豚の消化器は人間にとてもよく似ています。紫色の野菜の食事療法に効果が期待できるとしたら患者のためになるばかりか、農業に大きな利益をもたらすことでしょう。世界中の小規模農家を救うことができるかもしれません」