東京都の小池百合子知事が代表をつとめる国政政党「希望の党」が2017年9月27日、都内で設立会見を開いた。小池氏は「リセット」の言葉を繰り返し、改革の必要性を訴えた。
「リセット」の意味をめぐっては、小池氏に近い若狭勝氏らが積み上げた議論を「袖にする」と受け取る向きもある。そんな状況で設立会見に出席した若狭氏だが、自らマイクをとって主張する場面も見られた。
「数か月に渡って、着々と新党に向けて準備を進めてきた」
小池氏は冒頭あいさつで「日本をリセットするためにこの『希望の党』を立ち上げる。しがらみがないからリセットできる。この時期に日本をリセットしなければ、国際間競争、日本の安全保障を十分に守りきれない」と、「リセット」を連発した。
小池氏は25日に都庁で開いた会見でも「リセット」を印象的に使い、早くも新党の姿勢を表すシンボリックな言葉になっている。この時小池氏は「若狭さんや細野(豪志)さんはじめ議論してきたが、リセットして私自身が立ち上げる」などと述べたため、側近の若狭氏らの動きが新党で「なかったこと」にされたような印象を与えた。
その若狭氏はしかし、今回の新党設立会見で、時間をかけて準備してきた思いをにじませた。あいさつで、希望の党が公開したPR動画に集中して言及。「この希望の党、自民党からは付け焼き刃的にバタバタとつくったと、あるいはそれを見越して準備ができていないから解散総選挙に打って出るとの思いも感じられる」とした上で、
「しかしPR動画を見てもらえれば分かるが、数日でできるものでない。ここ数か月に渡って、着々と新党に向けて準備を進めてきた。政治や政党はそんな簡単にちょこちょこっとつくるものではなく、国民のためにどうあるべきかという軸足をもってつくるべきものだ。そういう思いで数か月準備してきた」
と述べた。なお若狭氏の直前には、同じく会見に出席した細野氏が「8月に、長く所属していた民進党を離党した。その時は新党を作るのは相当困難だと思っていた」と述べており、費やした期間という点では違いが見られた。