ハワイアン航空、ANAからJALに「転向」 「提携先」争奪戦が激化

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   日本航空(JAL)と全日空(ANA)の間で、国外の提携先をめぐる戦いが激化しそうだ。JALと米ハワイアン航空(HA)が2017年9月26日、互いの便の座席の一部を買い取る共同運航(コードシェア)をはじめとする包括的業務提携契約を結んだと発表した。これまでHAはANAとコードシェアなどで提携していたが、両社の「戦略が違う方向に進み始めた」ことを理由にHAはANAとの提携を打ち切り、JALに乗り換えた。

   一方、ベトナム航空とJALはコードシェアで提携していたが、16年にANAグループと資本・業務提携。提携先の奪い合いが起こっている。

  • 業務提携を発表するハワイアン航空のマーク・ダンカリー社長(左から2番目)と日本航空(JAL)の植木義晴社長(左から3番目)
    業務提携を発表するハワイアン航空のマーク・ダンカリー社長(左から2番目)と日本航空(JAL)の植木義晴社長(左から3番目)
  • ハワイアン航空(左)と日本航空(右)の客室乗務員(CA)
    ハワイアン航空(左)と日本航空(右)の客室乗務員(CA)
  • 業務提携を発表するハワイアン航空のマーク・ダンカリー社長(左から2番目)と日本航空(JAL)の植木義晴社長(左から3番目)
  • ハワイアン航空(左)と日本航空(右)の客室乗務員(CA)

JALと提携で「全日空&ユナイテッド」に対抗

   JALとHAはダイヤが始まる18年3月25日から(1)コードシェア(2)JALのツアー(JALPAK)でもHA便を売り出す(3)マイレージの提携(4)ラウンジの相互利用(5)HAが成田で利用するターミナルがJALと同じ第2ターミナル移転、の5点を軸に提携を順次始める。日本-ハワイ線以外に、ハワイ-アジア路線でダイヤを調整するなどの共同事業も検討する。

   JALの植木義晴社長の説明によると、HAは10年にコードシェアなどの提携をJALに打診したが、JALは「(経営)破綻の真っただ中で、残念ではあったが、お断りせざるを得なかった」。その結果、ANAとHAは12年からコードシェアとマイレージで提携していたが、

「ハワイアン航空と旧パートナー(編注:ANA)の戦略が違う方向に進み始めた」(ハワイアン航空のマーク・ダンカリー社長)

としてJALと提携することになった。ANAと米ユナイテッド航空(UA)は同じ航空連合「スターアライアンス」に加盟しており、マイレージの提携はもちろん、日本-ハワイ便でもANAとUAはコードシェアしている。こういったことを背景に、HAのダンカリー社長はANAとの「戦略の違い」を

「ANAとUAは共同事業を行っており、彼らは協力関係にある。ハワイアン航空は思ったほど(ANAと)近づけなかった」
「JALと提携、望ましくは共同事業を行うことで、ANAとUAという強力な組み合わせと対等に競争していけるようになる」

などと説明した。ANAは19年春に超大型機エアバスA380型機をハワイ路線に就航させる予定で、日本-ハワイ線のJALのシェアは低下するとみられている。こういった背景を念頭に、JALの植木社長は

「非常に厳しい競争環境になることも事実。そういった時にこういったご提案をいただいたことは嬉しかった」

と話した。

   なお、提携先のベトナム航空をANAに奪われたJALは17年7月、ベトナムのLCC(格安航空会社)ベトジェット航空とコードシェアを柱とした包括的業務提携を行うことを発表。局地戦の様相も呈しつつある。

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