【その原因、Xにあり!】(フジテレビ系)2017年9月15日放送
「芸能人若返り健康法SP」
テレビで活躍する芸能人は、実年齢よりも若々しく見える人がたくさん。見えないところで努力してその若さを保っているわけだが、その努力、果たして正しいのだろうか?
番組では、還暦を超えて活躍している芸能人たちが実践する健康法を、5人の名医が判定した。
毎日同じもの食べるとアレルギーになる!?
松島トモ子(72)は、身長155センチ、体重40キロのスタイルを40年間キープしている。
体力維持のため、ウオーキングマシンを早歩き程度のスピードに設定し30分間歩く。脚力アップにエアロバイクを軽めの負荷で30分間こぐ。腹筋を鍛える「ローイングマシン」は毎日100回。さらに体幹を鍛えるため、乗馬型マシンを早めの動きで10分間乗る。これらを毎日、計1時間半行っている。
食事は「30年間大体同じものを食べている」という。
朝食は、季節のフルーツ盛り合わせにフランス産のブリーチーズ、濃い目にいれた緑茶で済ませる。昼食は摂(と)らず、夕食には牛フィレ肉のステーキを120グラムに、旬の温野菜盛り合わせを食べる。
米、パン、めん類などの炭水化物は摂らず、間食も一切しない。1日の摂取カロリーは824キロカロリーだ。
この健康法、5人の医師は全員「残念」と判定した。
大阪大学臨床遺伝子治療学寄附講座の森下竜一教授は「認知症と早死にのリスクが高いんじゃないかな」と指摘。糖質を摂らないと脳が萎縮する上、ワンパターンな生活が認知症の原因になりやすいという。
BMI(体格指数)の適正値は22~24だが、松島のBMIは17以下。やせすぎは早死にの危険性を高める。
ファミリークリニックひきふねの梅舟仰胤(うめふね・ぎょうたね)院長は、同じものを食べ続けると「遅延型フードアレルギー」になる恐れがあると指摘した。
腸内に毎日食べているものの抗体ができ、アレルギー反応を起こすというもので、じんましんなどは出ず、だるさ、吐き気、めまいなどの症状が食べてから数時間後に現れる。どんなに好きでも、同じものを食べるのは週に4日までと心がけよう。
毎朝同じものを食べていて、夕方頃に何となく体調が悪くなる人は、念のため病院で血液検査を受けるとよい。
24キロおもりでウオーキングに肉1キロをペロリ
80歳でエベレスト登頂に成功した冒険家の三浦雄一郎(84)が実践するのは「ヘビーウオーキング」だ。
靴底に金属が入った片足1.8キロの靴をはき、20キロのおもりが入ったリュックを背負って、5キロを1時間半かけて歩く。インナーマッスルを鍛えるため、腹筋に力を入れ、口から大きく息を吐きながらウオーキングする。登山のトレーニングとして、道中で歩道橋を見つけたら必ず1往復する。このおかげで、現役のラグビー選手並みの筋肉量があるという。
お楽しみは、月に2回、行きつけのステーキ店で1キロもの肉を食べることだ。
登山に必要な筋肉をつけるため、肉は欠かせない。一切れずつしっかりかんで食べ、1時間かけて完食した。
三浦「肉を食べると幸せな気持ちになるし、元気になる。スタミナのもとになる。体にとってもいい食べ物」
三浦の健康法は、医師全員が「正解」と判定した。
まずはウオーキングについて、一般人にはかなりキツそうなやり方だが、森下教授は腹筋に力を入れて大きく息を吐く呼吸法を真似するよう勧めた。実際にインナーマッスルが鍛えられる上、体幹を作るので転倒予防にもなる。歩いていない時でもやると効果的だという。
梅舟氏は、「老化を抑えるのに肉が重要」と評価した。
歳を重ねると血管が固くなりがちだが、肉のタンパク質はしなやかな血管を作り、動脈硬化予防につながる。魚にも血管の若返りに効果的な油が含まれているので、毎日肉と魚を交互に摂るのが理想的だ。
ただし、食べる量は考えものだ。つるた鷺ノ宮クリニックの鶴田加奈子副院長は、高齢になると腎機能が低下するため、過度にタンパク質を摂ると負担が大きすぎると指摘する。視聴者には、肉の摂取量は医師に相談するよう勧めていた。