福岡県でHIV感染者とエイズ患者急増 原因不明も今後の検査件数増が肝心

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早期発見で病気をコントロールする

   福岡県の資料を見ると、過去10年の保健所におけるエイズ相談と検査の件数は2008年がピーク。16年の相談、検査件数はいずれも08年の69%にとどまり、大幅に減っていることが分かる。

   福岡県としても、県民に検査の重要性を認識してもらうには「啓発が大事」(感染症対策係)と重々理解しているが、特効薬のような施策があるわけではなく、県内に9か所ある保健所や教育機関でのポスター掲示をはじめとした地道な取り組みを続けるしかない。

   ただ、改善点はあるようだ。福岡県内の保健所での検査は通常、平日の日中に行われる。毎年6月1日~7日の「HIV検査普及週間」や12月1日の「世界エイズデー」では、休日や夜間にも対応するが、今のところこうした特別な時期に限られる。例えば東京都では、普段でも週末や夜間に検査が受けられる医療機関が複数ある。

   検査は無料、匿名だが「結果を知るのが怖い」としり込みする人もいるだろう。感染症対策係の担当者は取材に、「かつては、(感染すると)死を覚悟するような病気と考えられていましたが、今日では早く見つけて病気をコントロールすれば、日常生活を送れます」と話した。早期発見により、自分自身だけでなく他人への感染を防ぐことにもつながる。行政側による、検査を受けやすい体制の整備が求められる一方、ひとりひとりが「検査に行こう」と意識を高めることも大切だ。

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