痴漢は「病気」、療法を紹介
 幼少期の過酷な経験が一因に

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【ハートネットTV】(Eテレ)2017年9月19日放送
「痴漢を治す条件反射制御法」

   「おい痴漢!いいかげんにしろよ おいチカン!!」―ある駅のホームにこんな横断幕が掲げられるほど、痴漢はなかなかなくならない、やっかいな犯罪だ。

   どんなに撲滅を目指してもなくならない理由として、痴漢が「病気」だから、というのは大きいだろう。いったいどんな病気なのか、どんな治療をすれば改善が見込まれるのだろうか。

「条件反射」で止められなくなる

   精神疾患の診断基準「DSM-5」には、痴漢を繰り返す人について「窃触(せっしょく)障害」として、以下のように解説されている。

   「少なくとも6か月間にわたり、同意していない人に触ったり、体をこすりつけたりすることから得られる反復性の強烈な性的興奮が、空想、衝動、または行動に現れる」

   「同意していない人に対してこれらの性的衝動を実行に移したことがある、またはその性的衝動や空想のために、臨床的に意味のある苦痛または社会的、職業的または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている」

   番組では、痴漢の治療を行っている千葉市の国立病院機構下総精神医療センターに入院する森田さん(40)の治療に密着した。

   歩いている女性を自転車で追い抜く際に胸や尻を触ったり、自身の性器を露出したりという痴漢行為を、覚えているだけで40~50件、自覚なくしてしまったものも含めたら100件以上はしてきたかもしれないという森田さん。これまで刑務所に5回服役したが、出所するたびに痴漢を繰り返してしまい、自分でも止められない。

   下総精神医療センターの精神科医・平井愼二氏によると、痴漢には「条件反射」がかかわっている。

   女性を見て触るかどうか考え、触って興奮して帰宅したら自慰をして気持ち良くなる。これを何度も繰り返すと、女性を見るだけで触るという行動が噴出して止められなくなる。

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