高齢者に最高のスポーツはダンス! ウォーキングより凄い脳の活性化

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「運動動能力」だけでなく、「感覚能力」もアップする

   そして、両グループを比較すると、次のことがわかった。

(1)両グループとも海馬の縮小がなくなり、むしろ体積が増えていた。
(2)そのうえで、ダンスグループだけが右側の「海馬台」と左側の「歯状回」の体積が増えていた。海馬台はワーキングメモリーや空間の知覚に関わる組織だ。ワーキングメモリー(作業記憶)とは、短い時間で情報を保持し、同時に処理する能力のこと。会話や読み書き、計算などの基礎となり、日常生活や学習に欠かせない重要な能力だ。また、歯状回は記憶を思い出す働きをする組織。
(3)平行感覚の能力を調べると、ダンスグループだけが1年半前より大きく向上していた、フィットネスグループはほとんど変化がなかった。

   フィットネスグループの運動量もかなりのもので、海馬を増大する効果が認められたが、それ以上に記憶・学習能力を向上させ、バランス感覚を養う面ではダンスの方が勝っていたわけだ。

   研究グループリーダーのマーリン・シュミッカー博士は論文の中でこうコメントしている。

「ウォーキングやエアロバイクなどの持久力を高める運動が海馬を大きくすることは、以前の研究でも知られています。今回、それが改めて確認されましたが、ダンスの効果はそれを上回るものでした。音楽に合わせて踊ることが、『運動能力』だけでなく、『感覚能力』をアップするからだと思います。ダンスによって、バランスを保つ海馬組織が大きくなることもわかりました。高齢者がケガを少なくして健康を維持するためには、バランス感覚が重要です。ダンスは高齢者に最適のスポーツであると考えます」
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