ロハス製薬(東京・渋谷区)のスキンケア用シートマスク「ALFACE(オルフェス)」のCMが、インターネット上で物議を醸している。容姿の良し悪しだけで人を判断するかのような内容に、「差別的だ」との批判が寄せられているのだ。
問題のCMについて、ロハス製薬側は公式サイト上で「『キレイ』が巻き起こすコミカルなストーリー」と説明している。しかし、インターネット上では「無神経にも程がある」「すごい不快」など厳しい批判が相次ぎ、いわゆる「炎上騒ぎ」となっている。
「キレイはピンチを招くこともある」
「差別的」との批判が寄せられているのは、2017年9月15日からテレビ放映が始まった「オルフェス」の新CM。韓国の人気女性グループ「KARA」の中心メンバーだった歌手のク・ハラさん(26)が出演している。
CMは「チャンス編」「ピンチ編」「迷わせる編」の3種類がある。とくに問題視されているのは、チャンス編とピンチ編の対照的な内容だ。それぞれのストーリーを説明すると、次のようになる。
まず、どちらのCMも、道を歩いていた若い女性が買い物バッグから落としたリンゴを、たまたま居合わせた男性が拾うシーンから始まる。
ただ、リンゴを拾うのは「チャンス編」では端正な顔立ちをしたイケメンで、「ピンチ編」ではぽっちゃりとした不細工キャラ風の雰囲気の男性になっている。リンゴを落としてしまうのも、チャンス編とピンチ編では別の女性だ。
チャンス編では、リンゴを拾ったイケメンに女性は満面の笑みを浮かべる。一方、ピンチ編では、リンゴを拾ってくれたぽっちゃり男性に対し、女性は嫌悪感たっぷりの表情を浮かべ、そのまま一歩二歩と後ずさる。
その後、いずれのCMでも、リンゴを落とした女性の後方からク・ハラさん演じる「美人」が登場。どちらの男性も、ク・ハラさんの美しさに見とれて思わず手にしたリンゴを差し出す。
ここでのク・ハラさんの反応も、また対照的だ。イケメンに対しては、晴れやかな笑顔を浮かべて会釈。画面には「チャンスはいつでもやってくる」とのテロップが表示される。一方、ぽっちゃり男性のプレゼントに対しては怯えた表情を浮かべ、ク・ハラさんはそのまま足早で走り去る。そこで画面に、
「キレイはピンチを招くこともある」
とのテロップが現れるのだ。
制作意図などについて、質問メールを送ったが...
このように、全く同じシチュエーションであっても、男性の外見によって女性側の反応が「正反対」になるCMの内容に対し、ツイッターやネット掲示板には、
「イケメン男性とそうじゃない男性に対する女性の態度が露骨すぎてみてられないんだけど、あれシンプルに差別だろ」
「男性に失礼すぎでは????男性からの好意を『ピンチ』と表現するのどうなの...」
「見た目の良し悪しで相手への対応を変えるの推奨してる感じで気持ち悪い」
「不細工は近寄るのも罪なんだと言うのを教えてくれる」
といった批判が殺到。実際、9月7日にYouTubeで公開された「ピンチ編」CMは、「高評価」が65件、「低評価」が1195件となっている(25日18時時点)。
また、どちらのバージョンのCMでも、リンゴを落とした女性の側に立って考えてみると「いたたまれない」との指摘も出ており、
「なぜリンゴを持ち主に返さない?所詮顔かよ!不快やわ」
「比べられる最初の女性がかわいそう」
といった批判も上がっている。
このように、男女どちらの側も「容姿だけ」で良し悪しが判断されるような内容をめぐっては、「無神経にも程がある」「炎上しないほうがおかしいレベル」といった厳しい意見も相次いで寄せられている。
J-CASTニュースは9月25日、ロハス製薬に対し、(1)CMの制作意図について(2)ネット上の批判を受けての考え(3)今後、何らかの対応は検討しているか――の3点をメールで質問した。電話でも担当者に連絡を取ろうとしたが、不在とのことで同日18時までに回答は無かった。