警察庁のデータは「夜間はハイビームという原則の啓発になり得る」
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員のモータージャーナリスト・鈴木健一氏は、J-CASTニュースの取材に「警察庁のデータは、夜間はハイビームという原則の啓発をしようとしているのではないか」と分析した。
警察庁の資料で「56%回避できた可能性がある」としたデータには、「一定の条件下で」という文言がある。この「一定の条件」は、「直進中」「一般道」「非市街地」など限定的な状況下での事故に絞っている。鈴木氏は「こういう条件ならハイビームが基本になります」とし、
「たとえば真っ暗な田舎道で他の車通りがない状況ならハイビームを使うようにと、つまり『基本的なルールを守りましょう』ということだと思います。逆に言えば、そういう状況下でもハイビームにしないドライバーが多いとも読めます。普通にハイビームを推奨しても印象に残りづらいので、事故が減る可能性があるというセンセーショナルなデータを示したのかもしれません」
と話す。また「ルールに従えば都心では8~9割をロービームで走ります」とも述べていた。
ネット上でも「ハイビーム推奨も何も免許取る時習うだろこれ」「周りに車がいないときは基本ハイビーム 対向車や前に車がいる時はローに切り替える」と冷静に見る向きもあった。
ただ、そうすると実際の夜間運転中は、ハイビームで走行し、対向車などが見えたらロービームにする、すれ違ったらハイビームに戻す――とこまめに切り替える状況にもなり得る。鈴木氏は「面倒だと思う気持ちは分からなくはありません」としつつ「慣れの問題で、ウィンカーの操作なら多くの人は当たり前にできると思います。続けていればハイビームとロービームの切り替えも自然にできるようになると思います」と話していた。