対露ビジネス「有望」だが... 「(行政)窓口ごとに対応異なる」

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   日本企業がロシアでビジネスを推進するため、輸出入や投資の面を中心に経団連がロシア政府に行政や法制度の見直しを求めている。2017年9月7日にロシア極東ウラジオストクで行われた日露首脳会談では、1986年発効の日露租税条約の改正で合意し、日本企業がロシア国内の子会社からの配当利益にかかる税率が低減するなど一歩前進した。しかし、ロシアに進出した日本企業が現地でビジネスを行うには支障が多く、経団連はさらなる行政手続きや法制度の改善が必要だとしている。

   経団連が会員企業に行った対露ビジネスの調査(回答161社)によると、7割の企業がロシアの資源開発やインフラ整備などのビジネスを「有望」と評価した。しかし、ロシアの行政手続きや法制度を改善すべき問題点として挙げた企業が多かった。

  • 日露間のビジネス推進には思わぬ壁が立ちはだかっている(画像はイメージ)
    日露間のビジネス推進には思わぬ壁が立ちはだかっている(画像はイメージ)
  • 日露間のビジネス推進には思わぬ壁が立ちはだかっている(画像はイメージ)

輸出も直接投資もピーク時より大きく減少

   具体的には、実際にロシアに進出した日本企業から「許認可手続きが複雑で、窓口ごとに対応が異なる」「法解釈に統一見解がなく、担当官の裁量に委ねられている」などの不満が漏れた。「医薬品・医療機器の許認可申請で、当局から50日程度と言われたが、追加資料を求められ実際には1年かかった」「建築確認申請書の資料が日本だと厚さ1メートルくらいだが、ロシアだと10メートルくらい求められる」などの例もあった。

   実際に日本企業の対露ビジネスは期待ほど進んでいない。安倍晋三首相が2016年のプーチン大統領との首脳会談で医療やエネルギー開発など8項目の経済協力プランを発表したにもかかわらず、輸出は過去最高だった2008年の1兆7143億円から2016年は5547億円に減少。対露直接投資も、ピークだった2012年の757億円から2016年の152億円と約5分の1に縮小している。

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