JTBも参戦 民泊めぐり競争激化

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   JTBは2017年9月11日、民泊事業に参入すると発表した。年明けにも民泊が全国で本格解禁されることをにらみ、民泊仲介を手がける百戦錬磨(仙台市)と提携し、百戦錬磨の扱う民泊用物件をJTBの訪日客向けサイトで予約できるようにする。民泊を巡っては増え続ける訪日外国人の需要から成長が見込めるビジネスとして、旅行とは直接関係ない業種も含めて大手企業が名乗りをあげており、顧客争奪戦が激しくなる可能性も出てきた。

   JTBは百戦錬磨に既に数%出資しており、民泊のパートナー企業として共同で事業を展開する。まずは百戦錬磨傘下のサイト「ステイ・ジャパン」で扱う、現行法令下で合法とされる民泊物件をJTBグループの訪日客向けサイト「ジャパニカン・ドット・コム」で予約できるようにする。JTBは年明け以降、空き家を活用した民泊事業を百戦錬磨と進めることを計画している。

  • 民泊をめぐる競争が激化している(画像はイメージ)
    民泊をめぐる競争が激化している(画像はイメージ)
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2018年に本格解禁

   住宅宿泊事業法(民泊新法)が6月に成立し、旅館業法で原則として禁じられてきたマンションや戸建て住宅のような民家に旅行者を宿泊させるビジネスが、2018年に本格解禁される。現在は「国家戦略特区」で特例として規制緩和されている大阪市や東京都大田区内や、旅館業法で「簡易宿所」の許可を得た施設が営業を認められている。こうした合法物件以外の「ヤミ民泊」が横行する中で制度設計が急がれていた。新法では都道府県に届ければ年間180泊を上限に民泊を営める。営業にあたっては宿泊者名簿の作成や衛生管理などが義務付けられる。また、空き家など家主不在の物件も、国土交通省に登録した専門業者に管理業務を委託すれば営業できる。

   制度が整う中で、国内外の企業が成長市場に目を向けている。2016年の訪日外国人は約2400万人と過去最高を更新。政府は東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年に4000万人を目指すとの目標を掲げているが、近年の勢いからすれば実現不可能とは言い切れない。こうした中、外国人は特に欧米を中心に設備の古い「旅館」を敬遠する傾向があり、宿泊施設が不足するのは明らかだ。そこで民泊の需要が高まると見られているというわけだ。

   既に楽天は6月、不動産情報サイト「ライフルホームズ」を運営する「ライフル」(東京都千代田区)と共同で民泊仲介業務を始めると発表した。ライフルホームズにかかわる2万超の不動産仲介業者を通じて空き家など民泊に使える物件を探し出し、民泊仲介業務を行う。訪日外国人の民泊利用につなげるため、世界最大級の旅行予約サイトを運営する米エクスペディアとも提携した。

   不動産業界も関心が高く、マンション分譲などの大京は民泊事業に参入する方針。ひとまず「特区」の東京都大田区内で試験的に民泊施設を運営する予定で準備を進めている。

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