潜在需要は700万人!? 主婦層は「宝の山」かも
日本マクドナルドによると、実際の採用はクルー体験会後に改めて来店してもらう手順で進めているが、「仕事を経験してもらうこと、また店長の人柄などをわかって、納得して入社してもらうことで、長く勤めてもらえます」と、定着率へのこだわりをみせる。
主婦の採用については、「当社は人手不足だから(主婦を)採用しようというより、もっと成長するために採用を増やしたいというところ。今春の採用をみても、友だちの紹介が多くなるなど方向性は間違っていないと考えています」と、狙いどおりのようだ。
小売りや外食の人手不足は深刻。採用が熱を帯びる一方で、現在働いている主婦を繋ぎとめようと、給与や福利厚生といった待遇面の改善に注力している企業は少なくない。給与はもちろんだが、時短勤務などの働く環境を重視する傾向が強い主婦にとって、職場への通いやすさや勤務シフトの急な変更への協力体制などは大きなポイントといえる。
厚生労働省によると、夫が就業者で妻が主に家事を担っている夫婦は705万8094組(国勢調査2015年)にものぼる。共稼ぎ夫婦は年々増えているが、この中には働く意欲があっても子育てなどの理由で働けない、潜在的な働き手が少なくない。いわば、主婦層は「宝の山」のようなものなのだ。
ファミリーマートや日本マクドナルドに限らず、小売りや外食が「働く主婦」の発掘に力を注ぎ、主婦を積極採用する動きが加速度的に広がる可能性がある。